Eur-Asia

西洋と東洋の融合をテーマとした美術展「ユーラシア(Eur-Asia)」の開催を夢見る、キュレーター渡辺真也によるブログ。

照屋勇賢個展、六本木クロッシング、そしてBO菜イベント開催・・・

2010-03-23 23:37:15 | Weblog
今回のヨーロッパでの旅では、イタリアにおける反ゴシックとしてのバロック美術や反宗教改革におけるカトリックの歴史、さらにオランダにおける、レコンキスタ期以降におけるカルヴァニズムと自画像の歴史に関する見識が、相当深まった。この件に関しては、時間をかけて書いて行きたい。

日本へと帰国の当日、上野の森美術館での照屋勇賢の個展+VOCA展のオープニングへと伺い、先週末は六本木クロッシングのオープニングに顔を出し、昨日はBO菜イベントの開催と、盛りだくさんの日々であった。

照屋勇賢の作品を、上野のロイヤルパークで見る、というのは非常に面白い体験だった。というのは、沖縄と異なり、作品を東京に持って来るだけで、持っている意味がガラリと変わってしまう。彼の作品のコンテクスト的な意味合いを沖縄以外の会場にて引き出すには多くの工夫が必要ではないか、そんなことを感じた。想像力を刺激して読ませる部分と、ある程度解説を添えて、作品の理解を進めることのバランスが重要ではないか、と思う。鑑賞者の想像力を補完し、作品の理解を促す、そのガイドラインの様なものを展示の流れの中で生み出すことがキュレートリアルの仕事なのかもしれない、そんなことを思った。

六本木クロッシングのパーティでは、森村泰昌さんとご一緒でき、同席した照屋勇賢さんを紹介する。ずーっと紹介したかったお二人だけに、繋ぐことができて光栄だった。

アトミックサンシャイン展でご一緒した作家が、同じ時期に東京で、昭和天皇をテーマとした作品を見せている、というのはとても重要なことではないか、という話になった。森村さんが、大阪のお茶屋さんの自宅にて、自身が昭和天皇さらにマッカーサーに扮し、そして勇賢さんが、沖縄の紅型にて、軍服姿の昭和天皇を染め抜いた、そこには表現におけるある種の共通点が感じられる。両者とも、展示においてお客さんから拒否反応の様なものがほとんど感じられなかったそうで、「時代は変わりましたなぁ」、と語る森村さんのコメントが、印象深かった。

六本木クロッシングでは、美術館のキュレーターである近藤健一さん、片岡真実さん、そして展示キュレーターを担当した窪田研二さん、木ノ下智恵子たちにご挨拶。先輩のキュレーターたちからいろいろと為になるお話が聞けて、私としても嬉しかった。さらに、トークイベントでご一緒した宇治野宗輝さん(たんすロボは素晴らしかった!)、そしてベルリンでお世話になった小金沢健人さんなど、多くのアーティストと交流でき、大満足だった。

その後、22日には、長期に渡って準備を進めていたイベント「BO菜」へと突入。かなり複合的なイベント、かつ天候にも左右されるということで不安いっぱいだったが、当日はこれ以上ない、というくらいの快晴。船橋からの漁船やお野菜も、無事ボートで到着し、サバイバルピクニックを敢行。アーティストの坂口恭平さん、そしてサバイバルのプロ(?)こと鈴木さんと一緒に、0円ハウスを立ち上げるワークショップもスムーズに進行でき、とにかく良かった。東京都歴史文化財団、東京アートポイント計画の最後の仕事となるものだったので、気持ち良く最後の仕事を成し遂げることができた。

22日夜は、共催団体であったBOAT PEOPLE Associationのメンバーと、軽く打ち上げをしながらお話する。今が時代の境目でありながら、それを上手く切り開いていけないもどかしさ。そんな中でも、どうにかあがいて、自分たちの道を切り開いて行くしかない。

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