ペパーミントの魔術師

ご挨拶が遅くなりました。
引っ越し先でも同じタイトルで
継続しております。

日のあたる場所、月との約束。~「あん」~

2015-07-01 23:01:08 | 映画


ほんとは予定になかった。これは完全に周りのブロガーさんの評判てことで。
ついでに言うと、これを見に行く前夜にこんなのもテレビで見てた。

36年ぶりのデュエットだったらしいね~。年がばれる話ですがドラマ「ムー」「ムー一族」は好きだったし
リアルタイムで見てるんでこの歌歌えます、。(;´∀`)
・・・あのからおばあちゃん役をしてたわけなんだけども、今度はおばあちゃんになってから
「お化けのロック」とか「林檎殺人事件」とか歌って踊るのはさぞ大変だったろうなと。
・・・いや、ほんとに息切れして大変だったのか、「大変だったわよ」という演技だったのかそれすらわからない、
樹木希林てひとはすごい。(;´∀`)

ちなみにワカナちゃん役の女の子って希林さんのお孫さんなんですね~。(*^_^*)
まだちょっと垢抜けないような感じもしますが素朴なええ子って雰囲気がでてましたね~。(ほめてます。(*^_^*))

「やり残したことはありませんか?」につながるものは
徳江さんが勇気を出して外の世界へでていって「働きたい」「ひととふれあいたい」っていう願いを叶えたおはなしともいえるのですが

そもそも甘党でないからまる1個たべたことがないというどら焼きを作り続ける店長は
ただ借金を返すためにしかたなく雇われ店長をしているだけで
もちろん、過去に犯した自分の罪をずっとずっと背負って生きていて。

家のことも娘のこともほったらかしの母と暮らすワカナちゃんは
自由になりたくてもまだまだ中学生の子供で

そしてハンセン病ゆえに隔離されて家族とも引き離されて何十年も生きてきた徳江さんはもっと
”カゴの鳥”で。

でもふたりと違って、
自分を閉じ込めるものからどうやって心を解き放つのかを
徳江さんは千太郎やワカナちゃんに教えてくれたんですね・・・・。
彼女とであったことで、千太郎やワカナちゃんが
自分らしく生きていくすべをみつける・・・そういうおはなしだったのではないでしょうか。

しかし噂、差別、偏見って、わかっちゃいるけどひどいもんですね。
外出できる段階でそれはもう感染するとか隔離されなきゃいけないとかいう病気ではなくなってるはずなのに
中途半端な知識でもってあの病気は「昔」こうだったから近寄っちゃいけないとかって
・・・ほんとはそこんとこ怒りをこめて否定してくれるひとのひとりやふたりいてほしかったな~・・・
少なくとも千太郎やワカナちゃんは徳江さんの味方でしたけどね・・・。

置かれた環境やら他人の仕打ちやらを嘆いていた時期が徳江さんにもあったからこそ
最後のテープレターは余計に大きな意味をもって語りかけてきます。
自然の言葉に耳を傾けるようになるのは逆にいえば、人と触れ合うことがなかなかできなかったからとも言えますけど
そうやって研ぎ澄まされた感性が美味しいあんをつくることにも一役かっているわけで。
・・・どんな辛いことも怒りも悲しみも寂しさも
そうやって自分のなかで昇華していく徳江さんてどんだけすごいひとだったんだよって・・・。



PS:ぶっちゃけ和菓子は苦手なひとなんですが、わたしでもどら焼きが食べたくなりました。(;´∀`)

セリフの一字一句は忘れてしまいましたが、「みたりきいたりするだけでもわたしたちは生まれてきた意味がある
いきてる意味がある」といったような言葉があって、
それはそれは、自分なんかとか自分なんてって思ってるひとにどれだけ優しいだろうって
思いました。
・・・実はそれこそが徳江さんがやりたかったこと、やり遂げたこと・・・じゃなかったのかなと。


あ~、とってもとってもいい作品だったのに、うまく書けませんでした。どうも。(^_^;)





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12 コメント

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キキキリン一番絞り! (ジョニーA)
2015-07-02 04:23:46
「音楽の日」の動画も、さっきようつべで観てみましたー。
キキキリンさんの「イッヒイッヒヒイヒイヒ」♪
という搾り出すような歌声に感動。
ビジュアルも、歌声も、36年前と遜色ないと感じ、中坊だったころの思い出も同時に甦って
感動に打ち震えてしまいましたー。
『あん』は、周期的に何度も観たくなる傑作ですね♪
お茶目なキキさんの姿にキュートさも感じまして・・・6月のギザ萌えヒロインランキング
に入賞させる運びとなりました~♪
ガンなどに負けず、長生きしてほしいですヨ!
どら焼き… (BROOK)
2015-07-02 07:01:34
ハンセン病を題材にした作品で、
患者に対する差別も克明に描いていたと思います。

浅田さん演じる店のオーナーが言っていたことって、
今でもきっとあるんでしょうね。

いろいろなことを考えつつ…
風景描写も綺麗で、最後まで見入ってしまいました♪
Unknown (Ageha)
2015-07-02 10:37:57
ジョニーAさん、どうも。

全身ガンですって微笑みながら言うてしまうひとですからね~。
実際お体の具合はいかがなのでしょう。
この映画の後半であ~あまり体調が良くないんだなっていう演技としての「徳江さんの弱った姿」を見せてますけども、
ま~どんだけしんどくても絶対表に出さないでしょうからね~。
無茶して郷ひろみとのコラボもやってのけちゃうし。
・・・最近特に彼女の出演作品を偶然にもたくさん見ている気がするからなおさら
お体を大事にしてただきたいものです・・・。
・・・って映画本題に全く触れてない~~(;´∀`)
・・・このままいったら今年の主演女優だわ~とつけくわえときますわん。♪
Unknown (Ageha)
2015-07-02 10:42:23
BROOKさん、どうも。

中途半端な知識と思い込みがいちばんいけない。
それをたしかめもしないで噂に流されるのがいけない。
・・・わかっちゃいるけど、実際ありますよね。
それはハンセン病に限らず。
悪意のないつもりでもそれで傷つくひとはどこにでも。

徳江さんが小豆を「もてなす」シーンが好き。
風やさくらや月の声を聞いているシーンが好き。
決しておしつけることなく、あなたも自由になりなさいって諭すおおらかさがとてもとても好き。
あの境遇でああいう人間になれるってとてもとてもステキなことだと思いました・・・。
佳い作品でした。 (のぶりん)
2015-07-02 12:17:26
作中、徳江さんが作る「あん」のように、実に丁寧に煮詰められた佳作と思いました。河瀬直美監督の、乾いた、ある種、厳しさのあるタッチが印象的な作品でした。
こんばんわ (にゃむばなな)
2015-07-02 23:43:52
樹木希林さんってまだまだお元気なのに、まるでこれが遺作であるかのようなあの名演技。
何をどうすればあんな演技が出来るのか。
この作品は樹木希林さんでなくては成立しなかった作品だったのでしょうね。
他人事に思えず (メビウス)
2015-07-03 10:15:37
Agehaさんおはようございます♪TB有難うございました♪

ハンセン病を扱った差別や偏見が結構濃い内容でもありましたが、それでも樹木希林さんの素朴な演技や河瀬監督の自然美を多く取り入れた演出等もどこか『癒し』にもなっていたので、結果的に観ててそれほど重苦しい感じを抱かなかったのが良かったですね。

しかしハンセン病に限らず、無知がもたらす風評とかって本当に怖いですね。それに自分もそういった渦中にいた場合、周りに流されずにいられるか正直分からないので、どこか他人事とは思えなくなります(汗
Unknown (Ageha)
2015-07-03 22:33:36
のぶりんさん、どうも。

上手くは言えないのですが、むしろおおらかであったかくて誰も恨まず誰も憎まず
目の前のことを受け入れてそれでもなお微笑んでいようとする強さ・・・を思いました。
徳江さんだけじゃなくって千太郎もワカナちゃんも
ある意味いかにも日本人というかなんというか・・・。
それにしても樹木希林さんのすごさを改めて感じた作品でした・・・。
Unknown (Ageha)
2015-07-03 22:38:40
にゃむばななさん、どうも。

・・・もちろんどの俳優さんも
毎回これが最高の演技ってのをしてらっしゃるとは思うんですが、
・・・なんていうたらええのか、希林さんて
それこそ体に病を抱えているのだからなおのこと
これが遺作になるかもしれんなんていう気持ちは
実際あるのかもしれません。
だからこそ尚更自分に厳しくあるのかもしれず
最後のつもりでくらいの緊張感は持ち続けてるのかもしれませんね・・・。
Unknown (Ageha)
2015-07-03 22:44:40
メビウスさん、どうも。

コメントでもちらっと書いたのですが
誰かに文句を言うとか怒りをあらわにするとかがないので
重たいテーマの辛い映画のわりには
全編に流れてる徳江さんの独特の雰囲気が
映画を心地いいものにしちゃってるんですね。
ほかにも、季節感のある風景だったり
美味しそうに炊けてるあんだったりと
そういうパーツがくみあがって優しいものだけが
こちらへ伝わるええ作品でした。

誰にも恨みつらみを言わないだけになおさら
見てる私たちは我が身を振り返って
簡単に人の言葉に流されてやしないだろうかってやっぱ思いました・・・(´・ω・`)

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