穴村久の書評ブログ

漫才哲学師(非国家資格)による小説と哲学書の書評ならびに試小説。新連載「失われし時を求めて」

キング悪霊の島こわくないお化け

2010-10-23 18:10:27 | 書評

キングの書くお化けは怖くない。そのなかでも少し怖いのはシャイニングぐらいだろう。これは筆がまだ枯れていないころの彼の技で一応読ませている。

怖くない理由を考えてみると、主人公や登場人物に絡まる恨みに発するものがない。つまりお岩さんタイプ、怪談タイプじゃない。これで怖がらせるのは相当の筆力がいる。成功しているのはシャイニングくらいだろう。

話は飛ぶが、ラブクラフトもクルツゥ人だっけ、地下神話とかがキモなんだけど怨念、情念は関係ない。僕なんかこわくもないし、面白いとも思わない。日本にも大分フアンはいるらしいけど、よくわからない人気だ。

このタイプのホラーは必然的にマンガチックになる。劇画に堕する。ところがキングは劇画に徹しないんだね。そこが彼の中途半端なところだ。

以下次号