穴村久の書評ブログ

漫才哲学師(非国家資格)による小説と哲学書の書評ならびに試小説。新連載「失われし時を求めて」

村上春樹1Q84;東アジア・マーケット

2009-08-20 08:06:03 | 村上春樹

もうすこし青豆パート。べつに小豆フェチでもいびつ乳房フェチでもないんだが、いまのところ天吾パートは無難に来ているので、オマメをいじくりまわすことになる。

日本の作家の一部の人たちは東アジアマーケットで結構いい商売をしているらしい。森村誠一なんかもそうらしいが。村上春樹にも大切なマーケットのようだ。それには一定の叩頭跪拝のエチケットをシナ、半島から強要される。

ほぼ一巻を読み終わりかけたんだが、気がついたところで二か所村上は叩頭跪拝している。青豆は歴史フェチというんだが、これがとってつけたような属性なんだね。ピンとこないと思っていたら、ありました。二か所袖の下を差し出している。そのためのキャリアとして歴史書を読むのを趣味にしたんだね。

最初はホテルのバーで男を物色する場面、青豆は「南満州鉄道史」を読んでいる、ふりをしている。唐突な場面だが、ちゃんと目的はある。村上は書いている。満鉄(南満州鉄道)は日本の中国侵略の先兵となった(侵略という言葉に注目)が1945年満州に「侵攻」したソ連軍に解体された。ちゃんと侵略と侵攻を使い分けている。

これが書きたくて「満鉄」なんて場違い、年齢違いなものを持ち出したんだ。御苦労さま。

教科書検定にいちゃもんをつけるシナ、半島のターミノロジーを忠実に守ってみせる。

もう一か所は一巻525ページにある。編集者が優秀で臆病なのか、村上春樹が卑屈なのか、どちらかだろう。

これって相当におかしい話だよ。全然必然性がない。村上春樹が好きなチェーホフ流にいえばまったく必然性がない(小説内で)。シナの検閲にこびるためにだけでっち上げたことは明白だ。国辱ものだよ。もちろん主義者として自分の歴史認識を示すのは自由だろうが、この小説でこういう形で入れるのは専制国家、アジアの後進国家に自ら検閲を求めてご機嫌取りに貢物を差し出すような行為で唾棄すべきことである。自分の小説の販路を広げるためにだけ行ういやらしい弁解のできない行為だ。

満鉄がどう1Q84と関係するのだ。

525ページもあゆみの幼児の性的虐待の話の連想で加害者は忘れても被害者は忘れない、とどこかで聞いたような媚中派政治家のセリフを持ち出してくる。連想が奇異だし、比喩にもなっていない。

これで1890円分回収したかな。村上春樹もたまったものじゃないだろうが。