松坂市内で朝を迎えました。
通勤時間帯は渋滞が予想されるので、市内の松坂城跡梅園を見てから、通勤経路に逆行して、郊外へ向かうことにしました。
朝7時に城跡へ登ると、季代(きたい)丸と呼ばれる眺めの良い場所に梅園を見付けることができました。
空を雲が被っていますが、低く垂れこめる雲ではなく、城跡から市内も見下ろせます。
雲に包まれ、空へ浮かんだような錯覚を覚える梅園に人声はなく、紅白の梅が静かに枝を広げていました。
晴れた日の華やかな梅は心を和ませますが、静謐の趣の梅は些細な雑事を忘れさせて、癒しをもたらします。
梅は華やかでよし、静謐もよしです。
城跡から下りて市内を抜け、櫛田川流れる安楽町の安楽天神へ向かいました。

入口に赤い実を付けた見事な枝ぶりのクロガネモチが見えます。
しかし、天神のはずなのに、門構えは寺です。
門をくぐると、右手に梅園があり、正面には赤地に白文字で「安楽天神」と記した昇りが並んでいました。
同じ場所に寺と天神が同居しているようです。
このような事情に詳しくはありませんが、神仏習合の一種なのでしょうか。

雲に切れ間が見えてきましたが、この梅園にも飾り気のない、静かで寂びた梅が咲いていました。
吟行でもしたい趣です。
そういえば松尾芭蕉の出は、ここからそう遠くない伊賀のはずです。
風景がなんとなく俳句的に見えてきました。
8時半ごろ、松坂市岡山の田口邸梅林園に到着しました。
こちらは個人で経営されている梅林園で、枝垂れ梅が見事だとのことです。
入園料300円を払って中に入ると、園主の田口さんが横から話かけてきました。
全部は覚えていませんが、定年で会社を辞して、お父さんが育てていた梅林園を引き継いだのだそうです。
昨年には癌の手術、更には耳からウイルスが入って神経を患い三ヶ月も入院して・・・と話は続き、
梅の花を見せるような仕事は個人でやることではないです、・・・。
枝垂れ梅を綺麗に見せるには木の剪定に一ヶ月以上も掛けて・・・、等等。
急ぐ旅ではなかったので、十分にお話を伺いましたが、寂びた雰囲気の梅園を見た後で聞く饒舌なお話に少々面くらいました。
しかし、最後に地元の百五銀行が作成した「すばらしきみえ」という冊子を頂戴しました。
それには三重県内の梅情報が網羅されていました。
有難いこととだと感謝しております。
田口さん、折角の見事な梅林ですから、これからも病気にめげずに見事な梅を育て続けて下さい。
花が好きな方はどうぞ、コーヒー一杯程の入園料ですから、園内へ入って、苦労して育てた見事な梅を鑑賞して下さい。
園内では、菜の花と梅の見事なコラボレーションを見ることができます。
外からは、上の写真のような素晴らしい光景を見ることはできませんので。
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