ペナン植物園では下循環路と上循環路と名付けられた散策路が二つの輪を重ねたように整備されています。
私は下循環路を左周りに歩き始めました。
散策路の下の小川に小さな橋が架かり、その流れの横に黄色い花を咲かせている灌木を見つけたので、近づいてみました。

清い流れに身を乗り出すように、今を盛りと花が咲いていました。
周囲を見回しましたが、相変わらず名札がありません。
帰国してからネットで調べた結果、どうやらイエロー・サラカ(サラカ カウリフローラ)と呼ばれる樹木のようです。
説明によれば 「イエロー・サラカは偶数複葉で、20センチ程の葉にはは短い柄があり、花は枝にも付くが、幹からも直接出て、花柄はつややかな赤い色をしている」
ぴったりです。
散策路は左に曲がりながら少しずつ登っています。

坂を登って行くと、左手に如何にも熱帯、と言った雰囲気のオレンジ色の花が咲いていました。
ハンドボール大の実を稔らせています。

ほっほうー、何これ!
相変わらず名札はありません。
しかし、この花は園内の別の場所の名札で名前を知ることができました。
その名はキャノンボール・ツリー。
和名では「砲丸の木」と言うそうです。
確かに果実は大砲玉を思わせます。
花が咲いた後で一年程の時間を掛けて15~20センチに成長するそうです。
散策路の両側には樹齢を重ねた木々が次次と姿を見せます。
年輪を重ねた木々には独特の雰囲気が備わり、人々を魅了するのは何故なのでしょうか?

そして、この木をご覧ください。
岩の上に土が薄く被っただけの、見るからに生育条件の厳しい土地で、逞しく根を張り巡らせ、ひたすらに幹を空に向かって伸ばし続けた歳月を見事に物語っています。
根の周囲には誰もいません。
只ひたすらに空を見上げて生きてきたのでしょう。
幹を支える根は見事なオブジェとなり、空に向かって広がつ枝葉は、根のオブジェを完成させるために、何十年も光合成を営んできたかのように見えます。
幹の成長を支えた根が、美を表現しています。
美しいものはいつも何故か、強さを秘めて、孤独な姿を垣間見せてくれます。

今思い出してみれば、口もきけぬ樹々が、これほどまで饒舌に語りかけてくれたことが、何だか、とても不思議な印象として記憶に残っています。
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