11月2日、花の百名山「大江山」(833m)を望む国道176号のパーキングエリアで朝を迎えました。
朝を迎えるまでは、大江山の頂上へ登るつもりでしたが、麓から山を一望し、ピークを目指す気持ちが薄れました。
何故かと聞かれれば、山が低いこと、頂上が木立に覆われて眺めが期待できないこと、季節的に花が期待できないこと、などと答えますが、多分、全体が見えてしまったので、山が分かった気持ちとなって、心を駆り立てるモノが無くなったからです。
そう言えば高校生の頃にも、似たような気分を味わったのを想い出しました。
熱病のような恋心が芽生える相手は何時も、何を考えているか分からない、不思議な瞳の輝きを持つ女性だった気がします。
癖まで知ってる幼友達に恋心が芽生えることはありませんでした。

鬼が住む大江山はどんな山かと、期待を胸に訪ねましたが、あまりにも容易に近づけたことが裏目となりました。
大江山に登らなかったので、時間に余裕が生まれ、のんびりと宮津へ向けて車を走らせました。
宮津では最初に天橋立を眺めました。
大学生の頃に、周遊きっぷで山陰を巡った時以来ですから40年振りです。

宮津を過ぎると、国道を更に東へ向かいました。
見知らぬ街で、車を淡々と走らせていると、いつも不思議な安らぎを覚えます。
散歩でもしているような気分になるのです。
日常の責務から逃れた時間がそう感じさせるのかもしれません。
昔、「知らない街を歩いてみたい 何処か遠くへ行きたい」などと詠う歌があったことを想い出しました。

若狭湾に迫る岩壁に刻まれた道を周り込むと、海を挟んだ対岸の、名も知らぬ尾根の上に、11月の嫋やかな太陽が昇っていきます。

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