二日前に見た、名も知らぬ黄色い花が背丈を伸ばしていました。
その横のサクラソウも、ひと回り大きくなったような気がします。

右岸の尾根の上に、微かに雪を被ったピークが覗きました。
左岸の崖の後に、仄かに雪を乗せた峰を見つけました。

竹林の手前で、誰かが籠を編みかけているようです。

本流へ流れ込む沢に、丸太を重ねた橋が架けられていました。
人の手の温もりが、風景のあちこちに紛れ込んできます。

そんな沢の一枚岩の上で、白髪のトレッカーが、若葉萌え始める木々を眺め、寛ぎの時を過ごしていました。
沢水は程好く冷ややかで、軟らかい陽射しが谷を温めています。

しかし、ここはまだ神様がお住まいになられる場所。
ロバや馬が足を踏み込むことは許されません。
屈強な腰付きのポーター達が大きな荷を背に、黙々と坂を登り、森の中へ消えて行きます。

随所に咲く赤いシャクナゲが、早春の森を抜けたことを告げていました。

そして、真冬のABCを出発してから4時間半、正午になる少し前、優しい陽射しに包まれたドバンのGH(ゲストハウス)に到着しました。

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