川苔山の頂上には大きな看板で「川乗山」、方角を示す表示には「川苔山」と記されています。

山名は、川苔川で川苔が採れることに由来するらしく、川苔山が正しいようですが、登山口となる橋は川乗橋なので、川乗山にもそれなりの言い分があるかもしれません。
頂上で、食べ余した大福を口に含み、のんびり周囲を見回すと、幾つかの山稜が雲の下に連なっていました。
奥多摩の山に馴染みが薄いので山名は分かりませんが、一度は登ってみたい雲取山は見えているのでしょうか?

頂上は長方形の台地状で、広葉樹が茂る周囲の斜面は、相当な角度で落ち込みます。

その斜面に広がる広葉樹に幾つかの花が咲いていました。
最初に目にしたのがサワフタギです。
牛の鼻輪を作るくらい木が硬く、秋に瑠璃色の実を付けるのでルリミノウシコロシ(瑠璃実の牛殺し)の異名で呼ばれます。

そしてバイカウツギ。
都内の植物園では、5月中旬に満開の花を見せますので、1300メートルの標高差が、一ヶ月半の開花遅れをもたらすようです。

ウツギの花を蜂が訪ねていました。
白い花弁の中で、黄色い葯が可憐な表情を見せます。

マユミがちいさな花を枝一面に飾っていました。
マユミは秋になると、赤くて可愛い実を付けます。
紅葉が綺麗なことでも知られます。
秋になればきっと、山頂を美しく染め上げるのでしょうか。

ハウチワカエデが沢山の種を稔らせていました。
葉が天狗の羽団扇にそっくりです。
葉が大きいので、秋になれば見事な紅葉を見せてくれます。

シナノキの枝に実が付いていました。
シナノキはボダイジュと同様、苞の中央に花を咲かせ、プロペラを付けたような実を稔らせます。
信濃の国はこのシナノキを多く産したことが名の由来とも言われます。

猫の額ほどの山頂ですが、多彩な植物が目を楽しませてくれました。
紅葉が期待できる樹木が多いので、秋に登って来ても、きっと素晴らしい光景に出会えることでしょう。
※ 他の記事へは index をご利用頂くと便利です。
その他の「花の旅」はこちら → 旅の目次
筆者のホームページ 「PAPYRUS」
