つい最近まで雪渓があったと思われる場所にショウジョウバカマが咲いていました。

漢字で書くと「猩々袴」ですが、赤い花を酒好きの猩々と言う動物、葉の様子を袴に見立てての命名だそうです。
この花も株によって、かなり色の変化が見られるようです。
ショウジョウバカマのすこし先が神楽ヶ峰でした。

神楽ヶ峰を通過してしばらくすると、雲が切れ、目の前にポッコリとした頂きが現れました。
しかもそこへ至る途中は、見た目で100メートル以上も下っています。

雨は断続的に降り続いていました。
このような状況になると、何時もヒヨリ虫が耳元で「引き返すことを考えたら」と囁きます。
※ ヒヨル(=日和る)とは登山などで、頑張らずに安易な選択肢へ流れること。
登山計画書を出した祓川コースの出発口にも「山では引き返す勇気を持とう」と書いてありました。
足は止めずに躊躇していますと、二人組の登山者とすれ違いました。
「天気悪いですね、頂上へ行ってこられたのですか」
「ええ、苗場山の頂上もずっとこんな感じでした」
「頂上までは、まだ時間が掛かりますか」
「そ~、1時間20分ぐらい、いや、1時間ぐらいで行けるんじゃないかな」
「そうですか、有難うございます」
「どうぞお気を付けて」
そうですか、見た目程にはルートは厳しくなさそうです。
1時間程度であればリスクは少ないと判断しました。
此処まで来て引き返すのも、ちょっとですしね。
神楽ヶ峰から先の鞍部へ、「せっかく登って来たのにな~」のボヤキが出そうな心境で、下りたくない道を下って行きますと、鞍部に「お花畑」の標識がありました。

両側に谷が落ち込んでいて、周囲にハクサンボウフウなどの花が咲いています。
南蔵王を思い出させるような尾根道が雲の中へと登って行きます。

谷の中に残雪の姿を認めました。

岩が露出した場所では手を添えて、雲尾坂と呼ばれる山稜を20分程も登ると、湿原の中に雪渓が広がっていました。

東京では多分、ガリガリ君が欲しくなるような暑さなんでしょうね。

雨は止んでいました。
ゆっくりと、雪渓上の足跡をたどり、苗場山のピークを目指します。
登り始めて、わずか3時間半で雪渓の上に立てるなんて考えてもいませんでした。
前回の川苔山は、登り3時間ですから、要求される脚力にそれ程の違いはありません。
「案ずるより産むがやすし」の結果となりました。
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