温室では十二分にツバキを満喫しました。
しかし、その後椿園をくまなく歩き廻りましたが、ツバキの花は数える程にしか咲いていませんでした。
園内で出会った職員らしき方が、気の毒そうに「今年は異常気象で、花が本当に少ないんです。何時もはこんなではないんですけど」と話してくれました。

伊豆大島を訪問した主目的は椿園ですから、時間を気にせずに園内を歩き巡り、正門に辿り付くと、時刻は12時を回っていました。
午前中に観光客で一杯だった公園も今は人影がまばらです。
出発前にバスターミナルで入手した時刻表を確認しますと、バスは11時50分に出たばかりで、次は13時20分と、かなり間があります。
このような状況は十分に予測しておりましたので、慌てることなく、椿園の下のエリアへと足を向けました
海を背にして、大きなスダジイが枝を広げていました。

ベンチに腰を下ろし、菓子パンをかじりながら、バスの時刻表で、これからのスケジュールを考えました。
当初は三原山のハイキングコースを考えたのですが、バスの本数が少なく、時間的に無理なことが分かりました。
それで、元町港へ一旦戻り、そこから波浮港を往復することにしました。
元町港へ戻るバスの出発時間までは、周囲を散策して時間を潰すことにしました。
椿資料館で入手したパンフレットに植物園と記載されていた場所は、簡単な植物の解説などが掲示されていましたが、この内容で「植物園」と言われても素直に「そうですね」と答えるにはちょっと勇気が必要です。

植物園と称するエリアには椿の原木が鬱蒼と林を作っていました。
その椿の原木に包まれた道を下って行きますと、突然、目の前に海が広がりました。
右手に見えるのは三浦半島でしょか、高速艇が白波を立てて海を渡って行きます。

植物園のエリアでは、とうとう最後まで誰にも会うことはありませんでしたが、林の中で一瞬、鹿のような顔つきの、犬ほどの大きさの不思議な動物を見かけました。
写真を撮ろうと直ぐに後を追いかけたのですが、藪に邪魔されてシャッターを押すことはできませんでした。
見たこともない動物だったので、怪訝に思って歩いていると、歩道の横に次のような看板を頻繁に目にしました。

どうやら、さっき見た動物はキョンのようです。
帰宅後に調べますと、キョンは中国東部、台湾に生息するシカで、大島では動物園から逃げ出した個体が繁殖し、農作物に被害が発生しているようです。
キョンの皮はきめが細かいので、楽器やカメラレンズの手入れに最高級品として利用され、肉は柔らかく、脂肪も少ないので中華料理に用いられるそうです。
今回も珍しいものに遭遇しました。
こんな、出たとこ勝負の旅は、数多くの予期せぬことに出会えるのですが、それが旅をより一層楽しいものにしてくれます。
それにしても、キョンはどんな味覚なのでしょうか。
台湾に行けば食べられるのでしょうか?
ちょっと気になります。
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