モーテル「パソ ロブレス」(Paso Robles)を朝7時に出発しました。
私の中で「アメリカ西海岸」の言葉には「青い空と青い海」のイメージが重なります。
サンフランシスコからロサンゼルスまで、内陸寄りを短く繋ぐフリーウエーもあるのですが、海沿いを走るハイウエー101を走ること以外は考えられませんでした。
夜明け間際のハイウエー101は交通量も少なく、快適なドライブが続きます。

南の空には今日の晴天を約束するかのように、高い位置に白い雲が浮かんでいました。

ハイウエーの横ではキカラシの黄色い花が朝日の中に輝いています。

やがて正面に小高い山が見えてきました。
なんとなく、あの山の向こうには海が広がっている予感ありました。

ハイウエーは山裾を巻き込むように伸びて、その先に長い下り傾斜が続き、順調に標高を下げていきます。


見えました! 待望のカリフォルニアの海。

しかし、この時の海は一瞬でした。
ハイウエーはまた暫く海と離れて、丘陵地帯に進路をとります。

ここでも、ハイウエーの両側には広大な葡萄畑が続いていました。


あまりにも果てない葡萄畑を目にして、この規模に葡萄畑を構築する人々の思考形態は日本人と異るかもしれない、という思いが生まれてきました。
いやいや、もっと、単純に、作れば売れる、売れるから作るの結果がこれだけの規模をもたらしたのでしょう。
多分、単純な理由が正解なのだとは思いますが、あまりにも桁外れな規模の葡萄畑に、私はしばし頭を混乱させられていました。
今まで経験したことのない光景を目にして、思考回路がショートしていたかもしれません。
脈絡もない様々な思考が、脳裏に浮き沈みしていました。
環境が人々の暮らしに影響し、価値観にも影響を与えます。
産業革命以後に、西洋人が中心となって発見、開発してきたモノやシステムは、なぜ東洋ではなく西洋で可能だったのでしょうか。
西洋の人々に特異性のようなものはあるのでしょうか。
アジア、アフリカの人々と何が違っていたのでしょうか、などなど・・・・。
運転しながらですから、脳裏に浮かんでくる疑問は一瞬の煌めきのようなもので、直ぐに消え去りますが、ハイウエー101の運転には殆ど神経を使わないので、今まで見たこともないような光景に刺激されて浮かぶ、気ままな連想に、将棋や碁を楽しんでいるかような、不思議な快感を伴うドライブとなりました。
目の前に拡がる広大な葡萄畑は、近世の世界に影響力を及ぼしてきたアメリカやアメリカ人とは何か、そして日本人とは何かを考えるヒントを与えてくれているのかもしれません。
昨晩のレストランでも、日本では目にしない光景に驚かされました。
隣の席で、3人の20台前半と思われる御嬢さん達がオーダーした料理の量が、日本の常識の5倍以上はあったのです。
もっとも、その場で全部を食べきった訳ではなく、残った料理は、店が用意した大きなバースデーケーキの箱程の器に詰めて持ち帰っていました。
料理のボリュームには驚かされましたが、日本のレストランであれば味や盛り付けなどに、より以上に神経を使うでしょうし、客もそのような店を選択淘汰すると思いますが、アメリカでは客が味覚に無頓着なのでしょうか。
何だか、高校生が初めて京都や奈良を訪ねる修学旅行の感想文みたいな、内容となってきましたが、ハイウエー101は、還暦を過ぎたオジサンの目に、新鮮なボケ防止用の刺激を次々と与え続けてくれたのでした。
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