たった一つのアイスクリームが私を贅沢な気分にしてくれたお陰で、私は再び次を目指す元気を回復しました。
歩き始めた最初のバス停で、適当に、やって来たバスに乗り込みます。
バスの窓から方角を見定め、思惑と反対方向にバスが曲がった所で下車し、更にバスを乗り継ぎました。
バスを降り、次のバス停を探す間の路の横で、名も知らぬ樹々が枝を広げて豊かな木陰を提供しています。
何時でも何処でも緑は人を癒してくれます。
樹々には名も知らぬ花が咲いていました。

やって来たのは、イースト・コースト・パークです。
バスの窓からマクドナルドが見えたのを目印にバスを降りました。

ガイドブックに、この辺りはアメリカ西海岸を思わせる光景が広がっていると記載されています。
確かに、マクドナルドをはじめ、それらしいお膳立てが揃っていて、ローラーブレードを楽しむ人の姿も見かけました。
シーフードレストランも多く、美味しい蟹を食べさせる店もあるそうです。
此処にも日本料理の店を見つけました。
私は海外では極力、その土地の料理を食べるようにしていますので、日本料理店に入るつもりはありませんが、それでもつい気になります。

砂浜の横はシンガポール海峡です。
目と鼻の先に無数の船が停泊していました。
そうか、うっかり忘れていましたが、ここは日本と中東を繋ぐ、海の道の大事な関門だったのです。

私はこの時再び、上海の運河を前にして、水路が富と文化を運んでいたのだと認識したことを思い出していました。
そして更には、迂闊にも、この時はまだ、日本人が数十年前にこの地で血を流したことをも十分には認識していなかったのです。
そうです、旅はまるで、おじさんの修学旅行みたいなものなのかもしれません。
今、ブログを書きながら、写真を見返し、熱帯の午後の陽射しを受けて、黙って咲いていたヘリコニアを好ましく感じていたことを思い出しています。

それにしても、穏やかで平和な風景が広がっていました。
海峡に浮かぶ無数の船を背景に、家族連れがテントで寛ぎ、アラブ系のご婦人達が椰子の木陰でお喋りに興じていました。


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