国道40号線が稚内市街に入った辺りの大きなスーパーマーケットで食糧を買い求めました。
お弁当と缶チューハイ、大福餅と一口羊羹などです。
今夜は、日本最北端の地である宗谷岬にテントを張るつもりです。
今の場所から宗谷岬まで25㎞強、2時間程の行程が残っています。
稚内市街の中心地や野寒布岬、稚内公園などへ行くことは止め、買い物を済ませた後、国道238号に入り、一路宗谷岬を目指しました。

岬への道の路側帯にハマナスが咲き、赤い実を付けていました。
植物は花を咲かせ、花の後に実が稔ります。
四季の区別がはっきりしない熱帯植物のカカオやパパイアなどは花と実が同時に見られますが、四季の差が明らかな日本では、ハマナスのような植物は珍しい部類かもしれません。

ローズピンクに咲くハマナスの横で、白い花を見付けました。
最近読んだ本の中に「花に来る虫は赤い色が見えないので、ツバキのような真赤な花は自然の中には殆ど存在しない。一方、鳥には赤が良く見える。ツバキは鳥用の花だ」ということが記載されていました。
ハマナスの赤い実は、どんな鳥が啄ばむのでしょうか。
ハマナスの白花にはどんな虫が訪れるのでしょうか。
ハマナスが咲く浜に寝転びながら、日がな一日、ハマナスの花に訪ね来る虫や鳥を眺めていたいものです。
そうか!ハマナスは春と秋の鳥達の渡りの季節に合わせて実を付けているのかもしれません。
北国の海岸に沿って、鳥達が訪ね来る季節に合わせて、実を付ける必要があるのでしょう。
自然界に無駄はない筈です。
厳しい自然の中で無駄なことをすれば、生存が許されない筈ですから。

網走319㎞、枝幸114㎞、宗谷岬24㎞の標示が見えてきました。
夕暮れ前に宗谷岬に着けるとは思いますが、もう一度気を引き締め直しました。

目の前の遥か先で、岬に向かって海岸線が伸びていました。

岬へ伸びる海岸線の後で、白い風車が並ぶ丘が独特の景観を見せていました。
明治の中頃まで、丘陵全域にうっそうとした森林が生い茂っていたそうですが、相次ぐ山火事などの為に、今では一面が笹に覆われています。
スコットランドの景色を想い出していました。
そして、この場所もスコットランドも、森林を草原に変えたのは人間のはずです。
もしかすると、数日前に訪ねた襟裳岬のように、この丘に木々が茂れば、この海は今にもまして、豊穣の海となるかもしれません。
イギリス一周のブログを見直したことで、当初はイギリスも自転車で巡るつもりだったことを想い出します。
そう、今回の旅は唐突のように見えますが、結構、ビンテージな企画なのです。

稚内市内を振り返ると、荒涼とした海岸線の先で、稚内の街が、草原の丘を背に、渚にへばり付いていました。

自転車を進める道の横では、浜辺との間に、樹高が2mもないミズナラ(誤カシワ林)が列をなしていました。
2020年8月27日 追記
カシワ林と記していましたが、ミズナラであることが分りました。
「国道238号線沿いのメグマ海岸には、昭和43年稚内市の文化財指定
を受けたブナ科ミズナラの大群落が繁殖します。厳しい条件下で大群
落をなすのはても珍しい」そうです。
お詫びして、訂正いたします。
えりも岬の魚付き林でも、クロマツと一緒にカシワが植栽(要確認)されていました。
この海岸線のカシワはもしかすると人口林なのかもしれません。(間違いです)

対向車線の横に、更に高く茂ったミズナラ(誤カシワ林)が続いています。
これはきっと、多分、人口林なのだろうと思います。(間違いです)
もしかすると、30年後にこの道は、木立の中を進むようになっているかもしれません。
そんな風に想像するだけで、辺りの景色が違って見えてきました。

木を育て、森を育む。
森に包まれた大地に花が咲き、実が稔る。
遠回りにも思う、森を育てることが、関税などよりも強靭な緑の壁を築き、未来の子供達に豊かで平和な世界を約束してくれそうな気がしています。
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