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多くの人々が支える川

2021-06-14 20:08:42 | 自転車で神田川

 月見橋の下流に架かる橋が高砂橋です。


 以前の「神田川の神田橋」に記しましたが、神田川には2つの月見橋があり、高砂橋と呼ばれる橋も2つあります。

 

 一つの川に、同じ名が2つある橋が、僅か100メートル程も離れた杉並区高井戸西の上下流に隣り合います。

 

 全国にこんな例はそうないかもしれません。


 そして、高砂橋の構造がちょっと興味深いのです。


 写真では分り難いので、模式図を描きました。

 

  

   
 本来の橋の幅は狭いのですが、トラックなどが側道から橋へ曲がる時、余裕をもって曲がれるように、橋の角が川に張り出す構造となっています。


 自転車で走っている時は気づかなかったのですが、MapFanなどで確認すると、神田川に架かる橋は全て、必要に応じて同様の構造を見せています。

 

 そして、それは橋に限りません。

 

 交差点などでも良く目にする光景ですから、普段は全く意識しませんが、都市計画などに携わる人々の工夫が、私たちの暮らしを支えてくれています。

 

 いつの間にか日本では、このような社会基盤を整備する人々に、感謝の意を表すことが少なくなってきた気がします。

 

 今回気づかされた、黙々と社会を支える人々の努力と汗に、改めて、ありがとうです。

 

 (このような人々に「いいね!」が伝わる方法を、誰か考えてくれませんか?)

  
 高砂橋から数10メートル下った、下流のあかね橋に立って川を眺めると、河床が緑に覆われていました。

 

 

   
 橋の袂に「神田川流域案内板」が掲げられていました。


 杉並区が、多くの人に川への関心を深めてもらう為に設置したそうです。


 地図に公共施設や交通機関、防災施設などが記されていました。

 


  案内板の中に、神田川の清流復活事業の説明がありました。


 神田川は玉川上水から水を導水し、水量の増加によって水質改善が進み、今では魚や水生生物などが生息するまでになったそうです。

 

 
 杉並区は1985年頃、みすぎ橋と池袋橋の間で河床整備を行い、高砂橋周辺の河床にキショウブを植え、


 昭和47(1972)年頃にユスリカが大量発生すると、その対策として鯉を川に放ったそうです。


 川に生きるシマイシビルなどが魚の死骸や昆虫などを食べ、川には準絶滅危惧種のナガエミクリなどが育つのだとか。


 そういえば、1962年にレイチェル・カーソンが「沈黙の春」を著しています。


 そのころは日本でも、多くの人々が環境問題に強い関心を示したことを思い出します。

 

  

   
 あかね橋を過ぎると、左岸に緑地帯が現れました。

 


  緑地帯の中でビワが黄色い実を稔らせ、モモイロヒルザキツキミソウが川岸に彩を添えています。

 

 

   
 川は高井戸西1丁目アパートの前をながれ、そこに架かる錦橋の上から神田川を眺めると、水は静かに空を映し、

 

 


 橋の下では、数匹の鯉が「すべて世は事も無し」の風情で水に漂い、シダのレリーフが川壁を飾っていました。

 

 

 

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