青い空の下で、ほんわか回る風車にペダルをこぐタイミングがシンクロしました。
風車はこちらを向いてますので、追い風のはずです。
襟裳岬で吹かれたような、向かい風は強く意識しますが、追い風は気付かないもののようです。
逆風の時間は永く感じ、追い風の間は早く過ぎ去るのと同じ心境でしょうか。
誰かに泣かされたのは忘れ難く、誰かを泣かせたことに気付かないのも同じ心理かもしれません。
惚れたのと、惚れられたのはどっちかな、などと、単調な景色の中で、普段の生活では考えない、連想の翼が広がります。

まもなく渡った猿払川は、何度目の川になるのでしょう。

少し登りぎみの道を、浅茅野台地へと進んで行きます。
農場では冬を迎える準備が始まったようです。
牧草を乾燥させる作業があちらこちらに見られました。

知来別を過ぎた辺りでは、地平にへばり付くように見えた山影が、今はっきりとした形になってきました。

そして、いよいよ浜頓別市街に入ってきました。

浜頓別市街は昔と変わらぬ姿のように見えますが、記憶そのものが定かではありません。

浜頓別町で正午を迎えました。
コンビニで昼食を求め、役場前の公園でお弁当を広げました。
爽やかな秋の日の公園で、1時間程ののんびりした昼休みを過ごしました。
自転車旅も後半に入り、メインの目的だった襟裳岬、三国峠、宗谷岬をクリアし、気持ちに余裕が生まれていました。
昼食を済ませ、今度は音威子府へと向かう国道275に入りました。

午後になって、空に雲が広がってきましたが、天候が崩れるような気配はありません。

街を出ると程無く、頓別川を渡りました。
この川は護岸工事などの形跡も見られず、魚影が濃さそうです。

下頓別では、通路の両脇に萩を咲かせ、松を育てる農家を見かけました。
数日前に松を見かけた美深よりも更に北に位置する場所で、松に萩という日本古来の植物を育てる人々の存在に、感銘を受けました。
この地で見る、人々の松や萩に対する思い入れは多分、故郷を離れた入植者達が、想像を絶する酷寒の地で、過酷な生活を強いられたことが背景にあるのでしょう。
北海道で20年以上もの歳月を過ごしましたが、今になって初めて、チリチリするような感覚を伴って理解できることもあります。

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