1200年カトマンドゥ盆地にマッラ王朝が起こりました。
マッラ王朝は1484年にカトマンドゥ、パタン、バクタブルの3王朝に分裂し、1769年シャハ王朝によって滅ぼされます。
3都市には現在も、ネパール語で宮廷を意味するダルバールと呼ばれる広場があり、夫々の広場に宮殿や寺院が建ち並んでいます。
私はパタンのダルバール広場に着くと、自転車を抱え、膝下程の高さの、広場を囲む石垣を跨ぎ、近の柱に自転車をロックしました。
広場の隅には土産物屋があり、その奥に中世を感じさせる寺院などが並んでいました。

時刻は既に15時近くになっていましたが、晴れ渡った空から、まるで初夏のような陽射しが降り注いでいました。
私は周囲の建造物を眺めながら広場の奥へ進んで行きました。

そんな時突然、背後から誰かに、「すみません、チケットを持っていますか?」と訊ねられました。
「チケット?」 何を言われているのか最初は理解できませんでした。
しかし続けて、「この場所はチケットが必要ですから、あそこのチケット売り場でチケットを購入して下さい」
と言われてやっと、「ああ、そう云うこと」と状況を理解しました。
ダルバール広場の入口には交番程の大きさのチケット売り場があって、外国人はそこで500Rsの入場料を購入することになっているのです。

多分、私に声を掛けた人と思うのですが、私がチケットを購入すると、道路の反対側を指さし、「あの建物の上から見るダルバール広場が一番美しいですよ」と教えてくれました。
教えられた通りにその建物に登って「パチリ」とシャッターを押します。
その画像は、入場料と引き換えに渡されたカード「パタン・ツーリスト・エントランス」の絵と全く同じでした。
チケット購入時に、広場の中ではカードを紐で首から吊るして下さいと言われました。
広場へ戻って散策を始めると、先ほどの人が横に来て、「日本語学校で日本語を勉強していますので私がご案内します。」と言って、左手の建物へ私を導きました。
最初は日本語でしたが、途中から英語の説明に変わりました。
「ここは王宮だった場所で、中庭では今も祭りの時に、牛やヤギが生贄にされます」
「建物の柱に掲げられた像はシバ紳で、象や猪の顔をした様々な神がいます」などと熱心に説明してくれました。

最初は「なんだか胡散臭そうな奴だな」と用心していたのですが、そんなに悪い人でもなさそうです。
広場を奥へ進みますと、マンガ・ヒティと云う10メートル程の深さの、飲用水が流れる水汲み場がありました。
ガイド君の話では、このような施設があるのはパタン以外ではカトマンドゥと古都バクタブルだけなのだそうです。
つまりそれ程に、かっては主要な都市であったと言える証なのでしょうか。

ビムセン寺院は広場の一番北側にあり、職人や商人の神様が祀られていていました。
屋根の上からドバジャと呼ばれる帯状のものが垂れ下がっていますが、これは神が降りたつ道筋を示すのだそうです。

ダルパール広場の散策を続ける内に、ガイド君への警戒心もかなり薄れてきました。
広場の北外れで「地球の歩き方」に紹介されている、カフェ・ド・テンプルを見かけました。
なかなかお洒落な雰囲気を醸していました。

今度ネパールに来るときはパタンに泊まり、夕陽のダルバール広場を眺めつつ、こんな店で食事をするのも悪くないかなと思ったりしました。
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