天空に陽が昇りきる前に浦河の街が見えてきました。
道路脇に、いかにも北海道らしい看板、「熊出没 不法投棄ゴミは熊が寄りつく原因になります」が見えます。

海岸沿いの道を進むと、勇壮な波が磯に打ち寄せてます。
外海に面した海のことだけはあるなと感心したのですが、この時関東では、台風18号の豪雨で鬼怒川が決壊したことを、私は全く知りませんでした。

浦河を過ぎた辺りから、東の風が強まり、南東へ進む自転車の進行を妨げます。
被っていた帽子を、ザックに収めざるを得なくなってきました。
陽は天空の頂きに昇り、日高幌別では、歩道脇の幅1mほどの植栽スペースで、コスモスが秋の明るい陽射しを受けていました。
澄み渡る空の青さに、薄紅色のコスモスが本当に良く似合います。

街を抜け、日高幌別川を渡りました。
アイヌ語で「ホロ」は「大きい」、「ベツ」は「川」の意ですから、幌別川は大きな川という意味です。
水量の多い、清らかな川の上流部では、イワナやヤマメなどが群れ泳ぐ姿が見れるはずです。
苫小牧からはしり来た国道235号は浦河町で終わり、そこから先の日高幌別へは国道236号線に入ります。
国道236号線は日高幌別から左折して日高山脈を越え、十勝の広尾町を経て帯広市へと伸びてゆきます。
日高幌別から先の海岸線に続く国道336号線は、様似町、えりも町、広尾町を経て釧路市へ至ります。
自転車は国道336号線に入り、目の前に様似の親子岩らしき岩礁が見えてきました。

海に迫り出る岩山のトンネルを抜けると正面に、海に向かってなだらかに落ち込む尾根が見えました。

その尾根の頂きがアポイ岳です。
アポイ岳は標高810mの低山ですが、山を構成する「かんらん岩」は地下のマントルが上昇したものです。
アポイ岳はその特異な土壌と、夏は海霧に覆われる冷涼な気象条件、プレート活動による造山活動後に一度も海面下に潜ることがなかったことから、貴重な固有植物種が数多く見られます。
アポイ岳の植物群落は国の特別天然記念物に指定され、花の百名山に名を連ねます。
4時間もあればピークまで往復できるので、登ろうか、とも思いましたが、花の季節ではないし、既に二度も登っていますので、無理をせずに、次の機会を待つことにしました。
そしてアポイ岳は、私が旅を終える直前の2015年9月19日に世界ジオパークに認定されました。
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