旭川から稚内を往復した翌朝、私は明るい陽射しを浴びる旭川駅エントランスで周囲を眺めていました。
1975年からの6年間をこの街で暮らしましたが、駅の周囲はその頃が思い出せない程に変わっていました。
竜宮城から戻った浦島太郎は、きっとこんな気分だったに違いありません。
何よりも、線路が高架となり、駅裏へ駅裏へ抜けられます。
駅裏は川の岸辺が整備されて、緑豊かな公園が設けられていました。
数年前に自転車旅などで旭川を通過した時、線路が高架に変わったことや、駅が改築されたことは認識していたのですが、それを見る為にわざわざ駅に来ることはなかったので、この変化は新鮮でした。
今回は、青春18きっぷで普通列車を乗り継いで北海道に渡り、旭川を起点に大雪山の黒岳に登り、稚内を訪ねました。
今日は旭川駅から二日掛けて、再びあの東京の人込みの中へ戻る旅が始まります。
東京に辿り着くのは明日の夜中で、自宅へ戻るのは夜半を過ぎるはずです。
滝川行き普通列車で、10時34分に旭川駅を出発しました。
旭川に来たとき、夜の闇に紛れ見えなかった石狩川を渡ります。
次回、川の街旭川を訪ねるのも、そう遠い先のことではないはずです。
電車が妹背牛に停車すると、車窓にオオイタドリが白い花を茂らせていました。
オオイタドリは私に、北海道へ来たことを実感させ、この光景に愛着を覚える程です。
田園風景の中を電車は走り続けました。
滝川で電車を乗り継ぎ、
岩見沢へ12時17分に到着しました。
一旦駅舎を出て、駅に近いうどん屋で昼食を摂り、12時52分発の苫小牧行き普通列車に乗り継ぎました。
一両編成のジーゼル車は、線路脇をオオハンゴンソウが黄色に染める長閑な景色の中を走り続けます。
この様子を見て私は、本州の山間部の線路は、周囲をクズで覆われるのに、この辺りではクズが見られないことに気付きました。
ほっほ~、これは面白い、青春18きっぷ花の旅の新しいテーマを見つけたぞ。
ありふれた車窓の景色の中に新たなテーマを見つけ、のんびり走る普通電車の旅も退屈している暇はありません。
参考:線路脇の茂みを覆うクズ【JR奥羽本線 山形県 及位(のぞき)駅】
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