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安達ケ原公園のヒガンバナ

2018-10-02 21:44:47 | 東北のヒガンバナを訪ねて

 

 阿武隈川の河川敷に停めた車の中で朝を迎えました。

 

 昨晩は郡山市内のスーパーで弁当を買い、スーパー内のイートインと称するスペースで夕食を済ませました。

 

 電子レンジで弁当を温め、無料の暖かい茶のサービスもあって、本当に便利な世の中になったものです。

 

 スーパーで夕食を済ませ、すぐに二本松市の安達ケ原公園へ向かいました。

 

 21時過ぎに安達ケ原公園に到着すると、河川敷に臨時駐車場を見つけたので、迷わずに車を停めて、寝袋の中で買い求めた缶ビールを飲み干すと、後は白河夜船とばかり朝まで熟睡しました。

 

 朝日とともに目が覚めて、早速安達ケ原公園にヒガンバナを見に行きました。

 

 河川敷から歩いてゆくと、「曼殊沙華まつり」の幟が目に入りました。

 


 

 その先へ歩を進めると、建物の周囲にヒガンバナが点々と花を咲かせています。

 

 

 今まで数多くのヒガンバナの名所を見てきましたので、このように花径が疎らな状況はヒガンバナを育て始めてから間がない筈と思いましたが、記事を書くに当たって、調べてみると2015年頃からの育成であることが分かりました。

 

 その先に立派な五重塔が見えました。

 

 塔の周囲のヒガンバナの植栽エリアは広大ですが、株毎の花径数が少ないので、見ごたえあるヒガンバナの光景が完成するまで、もうしばらく年月が必要かもしれません。

 

  

 

 河川敷に設けられた臨時駐車場から帰路の矢印に従って車を走らせると、阿武隈川の堤防にも無数のヒガンバナが植栽されていました。

 

   

            

 

 近い将来、此処は確実に、日本有数のヒガンバナの名所として知られているはずです。

 

 ところで、車を停めて夜を過ごした場所のすぐ横に、見事なスギの大木が聳えていました。

 

 

 夜遅く着いたので、その時は分からなかったのですが、

 

 ヒガンバナを見終えて、スギの根本の掲示板を確認すると、ここは黒塚と呼ばれる、著名な場所だということが分かりました。

 


 

 掲示板には

 

 「奈良時代の726年(亀神3年)紀州熊野の僧、東光坊が如意輪観音菩薩を念じ、矢で鬼婆を射て、埋葬したところである。 

 

 平兼盛が 『みちのくの 安達ケ原の黒塚に 鬼こもれりと 聞くはまことか』 の歌をはじめ、歌舞伎、謡曲、浄瑠璃で昔から演じられている安達ケ原の鬼婆の物語は、全国的に知られている。

 

 また、菩提寺の観音寺には正岡子規の

 

 『涼しさや 聞けば昔は鬼の家』 の句碑がある」

 

 と記されていました。

 

 この鬼婆は、宿を求める旅人を殺し、生血を吸い、肉を喰らい、いつしか「安達ケ原の鬼婆」といわれるようになったのだそうです。

 

 つまり私は、そのような旅人を襲う恐ろしい鬼婆を埋めた塚のすぐ横で一夜を過ごしたことになります。

 

 道理で、夜明けまで、いやいや、夜が明けてからも、誰も周囲に近寄ってこなかった訳だ。

 

 皆さん、黒塚横の臨時駐車場は闇が深く静かで、熟睡できますので、車中泊にお勧めですよ。

 

 

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いわき市山王町と梅林寺のヒガンバナ

2018-10-02 00:25:09 | 東北のヒガンバナを訪ねて

 

 国道118号を少し戻って、矢祭小学校の脇で国道349号へ左折しました。

 


 

 その先、国道は名も知らぬ久慈川の支流に沿って阿武隈高地へと入ってゆきます。

 


 

 次なる目的地は、福島県いわき市山王町膳棚です。

 

 ナビが「目的地に到着しました」と告げる前から、田畑の脇に赤いヒガンバナの炎が揺れていました。

 


 

 どうということのない、いつかどこかで見たことのあるような、懐かしい里村の風景が周囲に広がっていました。

 


 

 道路わきの法面が赤い花に染まっています。

 

 少し日が暮れてきたためか、花色が濃さを増したように感じられます。

 


 

 明るい場所の花色は、赤よりも紅とでも呼ぶべきかもしれません。

 

 淡い黄金色の稲穂を背に、ヒガンバナの紅が目に染みます。

 


 

 日本中どこにでもありそうな、それでいて、殆どの人が目にしたことがなさそうな、不思議な感慨を伴う光景が、秋の虫の音を伴いながら、私を包み込んでゆきました。

 

 一瞬、夕闇が近づく気配で我に帰り、今夜はどうしようかと、俄かに現実に引き戻されました。

 

 いわき市ではもう一か所、常盤水野谷町の梅林寺というお寺にヒガンバナが咲くはずです。

 

 今日中に梅林寺を訪ねることができれば、夜道を二本松市まではしり、明日からのスケジュールが随分と楽になります。

 

 ナビで到着時間を確かめると、18時前後を示していました。

 

 ん~ ちょっと微妙ですが、何とかなるかもしれません。

 

 がしかし、いわき市周辺で夕方の渋滞に巻き込まれました。

 

 とは言っても、ナビは信号が連なる都会の速度で計算していますので、陽が山影に沈み込んだ時間に少し遅れて、梅林寺に到着しました。

 


 

 山門横の駐車場に車を止めて、本堂に上る石段の下に立つと、両脇をヒガンバナが赤く染めていました。

 

 

 そして、刻一刻と周囲は闇に包まれてゆきました。

 

 

 

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