
GH(ゲストハウス)の前庭で山の目覚めの表情を満喫し、ダイニングルームへ戻って、朝食をオーダーしました。

実は今朝まで、この先のルートを迷っていたのですが、既に迷いは消えていました。
カトマンドゥを出発するとき、シャクナゲの咲くゴレパニへ入ることを決めていましたが、その先は「行ってから決めよう」と考えていました。
今朝まで迷っていたのは、このまま真直ぐガンドルンへ下り、ポカラへの帰路を取るか、それとも、このままアンナプル山域に留まり、野の花を楽しむかの選択でした。
ガンドルンへの道を進んで、2000m以下の場所へ下ると、多分もうサクラソウのような花に巡り会うことはないでしょう。
朝日に輝く白い雪の峰を、かぶりつきの席で楽しむこともできなさそうです。
カトマンドゥへ戻って、エベレスト山域へ入るアイデアも魅力的ですが、残された日数が10日しかないので、天候次第でカトマンドゥから飛行機が飛ばなれば、喧噪の街で身動きが取れなくなります。
ガイドブックを穴の開くほど読み直し、あれやこれやと思い浮かぶアイデアに思いを巡らせ、迷い続けていました。
アンナプルナ・サウスの裏手となる領域をアンナプルナ内院と云い、そこには、山が好きな男の魂をくすぐるような、標高4130mのアンナプルナ・ベースキャンプ(ABC)と呼ばれる場所があります。
しかしそこは間違いなく、世界の屋根の雪山です。
今回私は、日本を出発する時に軽登山靴を履いてきました。
この靴は東京に初雪が降った、2月の植物園に履いて行って、雪水が滲み、靴下まで濡れるような代物です。
今回のトレッキングでは、雪山の領域へ足を踏み込むことは全く想定していません。
二十歳代の後半に、重いカメラを担ぎ、北海道の冬山に一人で籠ったこともありますから、2000mを越える雪山の厳しさは十分に認識しています。
しかし、もう決めました。
今日はこれから、キュムヌ・コーラの谷を越え、チョムロンへ向かうことにします。
そこから更に、モディー・コーラ沿いにABCへ進み、雪に出会った場所から戻ることにしました。
ポカラもカトマンドゥも悪くはないのですが、やっぱり白く輝く峰々とその麓で花を見るほうが遥かに楽しいと思うのです。
そうと決まれば、ぐずぐずしている暇はありません。
GHの清算を終えると、荷を纏め、タダパニを8時15分頃に出発しました。
下の写真をご覧下さい。
アンナプルナ・サウスを背にして、木立の背後に見える、尾根の右端がチョムロンのはずです。
一度キュムヌ・コーラの谷へ下り、正面に見える尾根を登ることになります。

GHのすぐ前から、チョムロンへのルートとなる階段を下り始めました。
迷いのない足どりで歩を刻む私に、石壁に咲くサクラソウが微笑を投げかけていました。

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ヒマラヤトレッキング 花の旅 index 1
ヒマラヤトレッキング 花の旅 index 2






















