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やっぱり山と花

2014-05-08 23:52:28 | ヒマラヤ・トレッキング 花の旅

 

 

 

 

 GH(ゲストハウス)の前庭で山の目覚めの表情を満喫し、ダイニングルームへ戻って、朝食をオーダーしました。

 

 


 実は今朝まで、この先のルートを迷っていたのですが、既に迷いは消えていました。

 

 カトマンドゥを出発するとき、シャクナゲの咲くゴレパニへ入ることを決めていましたが、その先は「行ってから決めよう」と考えていました。

 

 今朝まで迷っていたのは、このまま真直ぐガンドルンへ下り、ポカラへの帰路を取るか、それとも、このままアンナプル山域に留まり、野の花を楽しむかの選択でした。

  

 ガンドルンへの道を進んで、2000m以下の場所へ下ると、多分もうサクラソウのような花に巡り会うことはないでしょう。

 

 朝日に輝く白い雪の峰を、かぶりつきの席で楽しむこともできなさそうです。

  

 カトマンドゥへ戻って、エベレスト山域へ入るアイデアも魅力的ですが、残された日数が10日しかないので、天候次第でカトマンドゥから飛行機が飛ばなれば、喧噪の街で身動きが取れなくなります。

 

 ガイドブックを穴の開くほど読み直し、あれやこれやと思い浮かぶアイデアに思いを巡らせ、迷い続けていました。

 

 アンナプルナ・サウスの裏手となる領域をアンナプルナ内院と云い、そこには、山が好きな男の魂をくすぐるような、標高4130mのアンナプルナ・ベースキャンプ(ABC)と呼ばれる場所があります。

 

 しかしそこは間違いなく、世界の屋根の雪山です。

 

 今回私は、日本を出発する時に軽登山靴を履いてきました。

 

 この靴は東京に初雪が降った、2月の植物園に履いて行って、雪水が滲み、靴下まで濡れるような代物です。

 

 今回のトレッキングでは、雪山の領域へ足を踏み込むことは全く想定していません。

  

 二十歳代の後半に、重いカメラを担ぎ、北海道の冬山に一人で籠ったこともありますから、2000mを越える雪山の厳しさは十分に認識しています。

 

  しかし、もう決めました。

  

 今日はこれから、キュムヌ・コーラの谷を越え、チョムロンへ向かうことにします。

  

 そこから更に、モディー・コーラ沿いにABCへ進み、雪に出会った場所から戻ることにしました。

 

 ポカラもカトマンドゥも悪くはないのですが、やっぱり白く輝く峰々とその麓で花を見るほうが遥かに楽しいと思うのです。

 

 そうと決まれば、ぐずぐずしている暇はありません。

 

 GHの清算を終えると、荷を纏め、タダパニを8時15分頃に出発しました。

 

 

 下の写真をご覧下さい。

 

 アンナプルナ・サウスを背にして、木立の背後に見える、尾根の右端がチョムロンのはずです。

 

 一度キュムヌ・コーラの谷へ下り、正面に見える尾根を登ることになります。

 

 

 GHのすぐ前から、チョムロンへのルートとなる階段を下り始めました。

 

 迷いのない足どりで歩を刻む私に、石壁に咲くサクラソウが微笑を投げかけていました。

 

 

 

ヒマラヤ一人歩きの危険性

 

 

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タダパニの朝

2014-05-08 20:48:57 | ヒマラヤ・トレッキング 花の旅

 

 3月9日

 

 タダパニのゲストハウスで朝を迎えました。

 

 日本を出発して10日目、トレッキングに入って4日目の朝です。

 

 全旅程のほぼ半分が終わったことになります。

 

 

 東向きの斜面に位置する、ゲストハウスの真正面から朝日が昇ってきます。

 

 チュルル、キュルル、チュンチュンと、梢の先で小鳥が唄い始めました。

 

 

 逆光の中に、マチャプチャレが美しいフォルムを見せていました。

 

 

 左手のアンナプル・サウスに陽が届き始めます。

 

 

 山の朝は、手から離れた風船が空へ昇るような速さで時を刻み、山稜を舞台にした光のページェントが始まりました。

 

 僅か数分後、アンナプルナ・サウス手前の尾根にも光が届き始めました。

 

 光が山頂から山麓にも届き、山は柔和な表情に変わり始めました。

 

 

 マチャプチャレは黒いマントを脱いで、威厳を感じる風貌から、穏やかな表情に変わり始めました。

 

 

 

 東の低い空に、薄い雲が佇んでいます。

 

 

 太陽がベールをほのかに被り、光が大気に分散し、周囲の山々は安らかなな表情を見せていました。

 

 

 刻々と表情を変える山の景色を見逃すまいと、私は夢中でシャッターを押し続けました。

 

 

 目の前の針葉樹の頂きにも光が届く頃になると、アンナプルナ・サウスの岩壁に光が射し始めました。

 

 

 

 やがて朝霧が谷に流れ込み、マチャプチャレは淡いベールに包まれてゆきます。

 

 

 小鳥達の声に振り返えると、ゲストハウスの裏手で、赤いシャクナゲの花が朝陽に染まっていました。

 

 

 アンナプルナ・サウスが正面から光を浴びて、彫の深い素顔を際立たせてました。

 

 

ヒマラヤ一人歩きの危険性

 

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シャクナゲの純林

2014-05-08 12:06:58 | ヒマラヤ・トレッキング 花の旅

 

 

 

 バンタンティを出て振り返ると、午前中に下ってきた尾根と谷が見えました。

 

 左手奥がデオラリのピーク3180mです。

 

 ポカラで買った5万分1の地図には、この辺のトレッキングルートが赤線で示されていますが、全く当てになりません。

 

 日本の地図と同じつもりでルートを読むと、頭が混乱しそうになります。

 

 

 バンタンティを出てから、シャクナゲの原生林の中に道が続きました。

 

 下の写真の、左端中央にザックを背負ったトレッカーの姿が小さく写っているのがお分かりでしょうか。

 

 道の周囲に、樹高30~40mはあろうかと云う、シャクナゲの純林が広がり、トレッカーの姿があまりにも小さく見えます。

 

 

 嗚呼そうなんです、満開の季節に、このシャクナゲの森に来たかった。

 

 

 そう、そうなんです、全ての花にタイミングの合う旅などありませんから、「花の旅」とは、諦めることを知る旅なのでしょう。

 

 

 それにしてもトレッカー達は皆、シャクナゲの純林に気付く風もなく、足早に通り過ぎてゆきます。

 

 「気付かぬ」ことは嘆く時間をも省いてくれるのです。

 

 不平不満とは、所詮そんなものかもしれません。

 

 

 トレッキングルートは標高2500m前後の山腹を横切るように続きました。

 

 暑さ寒さを意識しない、心地よい大気の中の道を、ゆったりペースで歩き続けました。

 

 

 やがて、ダウランティ・コーラの上流部に出ました。

 

 今日の目的地のタダパニへは、沢の左手の尾根を越えて行きます。

 

 森の中から、鞍部を越える道が見えていました。

 

 

 

 一度谷へ下り、数百メートル程を登り直します。

 

 

 トレッキングコースには常に人の姿がありました。

 

 小学生ぐらいの子供や、赤子を背負ったトレッカーの姿も見かけました。

 

 

 しかしそんな最中に、この場所が世界の屋根のヒマラヤであることを、突然降ってきた雹が思い出させました。

 

 ぽかぽかとした気候であっても、瞬時に厳しい状況になる可能性を想定しておくべきなのです。

 

 

 

 下った谷をもう一度登り直し、午後2時半過ぎにタダパニに到着しました。

 

 タダパニの村の入口に、とてつもない高さのシャクナゲが花を咲かせていました。

 

 

 

 その赤いシャクナゲの花の上を、空一面に白い雲が覆っていました。

 

 そして私は、明朝マチャプチャレが正面に見えるはずの、東に窓を向けたGHに今夜の宿を定めました。

 

 

 

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