銭湯の散歩道

神奈川、東京を中心とした銭湯めぐりについて、あれこれ書いていきます。

しのぶ湯

2017-04-15 18:54:18 | 銭湯
東急東横線大倉山駅を下車し、白い町並みを通り過ぎた住宅街の中にしのぶ湯がある。店の外観は普通の住宅みたいな形なのですっかり周囲にとけ込んでいて、のぼりがなければ普通に見過ごしてしまいそうだ。
(分かりづらい角度ですみません。電柱の後ろの建物です)

見た目はほんと普通の家みたいなのだが、浴室の規模はほぼ想像通り。下足箱に靴をあずけて中に入ると、受付はフロント式。お金を払って男湯ののれんをくぐる(男女入れ替えらしく、その日は左側だった)。脱衣場は規模相応の小ささだが、それほど狭いわけでもない。開店してまもなくだったので客はそれほどおらず。
浴室は、一つひとつがけっこう小さい。手前がカランで、奥が浴槽。二人入れるジェットバスに白湯。これが主浴槽になる。それと隣がラジウム鉱泉で、つまり水風呂。水風呂と知らず足を入れたら冷たい思いをした。その前にサウナがある。壁画は、タイル絵でなぜか南国の海。ヤシの木が生い茂り、無人のヨットが浜辺に打ちつけられている。
それと特筆すべきは、露天風呂だ。ここに来たからには、この露天風呂をみるべきだろう。
室内の浴槽よりもはるかに広い浴槽で、見上げると半分ほど屋根が掛かっている。その露天風呂の壁には正面向かって四角の穴が開けられていて、その穴の奥がちょっとした坪庭になっている。奥の庭には様々な種類の花が咲き誇り、ランタンや鯉のぼりもあり、信楽焼のたぬきも置かれている(ごちゃごちゃした組み合わせだが、違和感はない)。
こうして露天風呂は、今までみたことがない演出。こういう見せ方もあるのかと感心してしまった。ほどよい薄暗さと静寂さが心地よい雰囲気を作っている。
露天風呂の浴槽はラジウム湯で黒湯。温度はかなり低めで38℃ぐらいかもしれない。この露天風呂をみただけでも来た甲斐があったと感じた。

【評価チェック箇所】
・値段 470円 
・アクセス(道程)大倉山駅からほどほど近い
・周辺の環境 住宅街
・混雑ぶり だいぶ人気らしく、出るときは混んでいた
・清潔さ 普通
・接客 感じがよい
・客層 高齢者が中心であるが若い人も
・脱衣所 小さい
・休憩所 脱衣場と兼ねている
・シャワーの出 普通
・備え付け なし
・貸しタオル あり
・サウナ あり
・温度 ちょうどよい
・眺望 露天風呂の眺めは素晴らしい

住所
〒222-0037 横浜市港北区大倉山3-60-13
電話
045-546-9347
営業時間
15:00〜23:00
定休日
毎週水曜日
※神奈川公衆浴場業生活衛生同業組合HP転載

第二岡の湯

2017-04-15 18:20:11 | 銭湯
新横浜駅からバスに乗って、最初に目指すのは複合商業施設のトレッサ横浜。そこからさらに幹線沿いを歩いて工場地帯に足を踏み入れると第二岡の湯に到着する。
(生憎の曇り空だが、凛然とした佇まい)


(昔ながらの薪で焚いてます)

立派な宮造りの外観(と思っていたが、ウェブマガジンの「はまれぽ」によると厳密には宮造りではないらしい。それと横浜では最後の木造建築だとか)は入る前からワクワクさせてくれる。ただ周囲はバーミヤン、セブンイレブン、ドラッグストアーと、ずいぶん浮いた場所に建っていた。建物の前はデコボコの駐車場になっていて、7~8台ぐらいは停められるのだろうか。
入り口の中に入ると古い建物のようで、松竹錠は新しい感じ。扉をあけると、番台には優しそうなおばあちゃんが出迎えてくれる。
想像より広い脱衣場で天井も高く、開放感がある。床も綺麗に磨かれていた。脱衣場の横には曇りガラス越しに坪庭を眺めることができる。周囲の商業施設とは隔絶された純和風の空間だ。
浴室は、横長の作りで、奥行きはないものの広く感じる。配置は定番の手前がカランで、浴槽が奥。横に長いので島カランが二つ。それに壁際にもカランが並ぶ。浴槽は、シンプルで、二つに分かれているが、7対3の割合。7側はすべてジェットバスになっていて、3側は白湯。
グーグルのレビューではお湯がクソ熱いとばかり書かれていたので、レトロな雰囲気に呼び寄せられた普段は銭湯に入らない層が熱いと言っているのだろうと勝手に思い込んでいたが、入ってみると本当にクソ熱かった。温度計は45℃。肌感覚的には、もっと高いはずだ。
いままで幾度となく45℃前後の浴槽に入ってきたが、これほど熱い45℃のお湯ははじめて。
最初はジェットバスの方に入っていたのだが、あまりの熱さに不思議と熱い感覚が分からなくなってくる。感覚が分からないといつまでも入っていられる気分になって、これはマズいと思い、お湯からあがると体は真っ赤。
長い時間かけて体を冷やしたあとに、今度はジェットバスではない小さい浴槽に入ったのだが、恐ろしいことにジェットバスより輪を掛けてさらに熱い湯船だった。
もはや熱いというよりも痛い。足先がジンジンし始めたかと思うと、刺さるような痛みに。あまりの痛さに悶絶して、すぐに出てしまった。
たまたま体の具合からそう感じたのか分からないが、その小さな浴槽に入る客は、誰一人としておらず。普段は基本的に反復浴をするのだが、ここでは健康に害すと判断し、さっさと出ることにした。
常連客も多くいるので、慣れれば癖になる風呂なのかもしれないが、この熱さに慣れるのは相当時間が掛かりそうだ。そもそも常連らしい客ですらかなり水を埋めていたので、やはりみんな耐え難い熱さと感じているのでは?
熱さにチャレンジしたい人にはおすすめしたいが、そうでない人にはとてもじゃないがおすすめできない銭湯だ。

【評価チェック箇所】
・値段 470円 
・アクセス(道程)駅から遠い。トレッサ横浜からは、10分ほど。
・周辺の環境 工業地帯と商業施設が混在した地域
・混雑ぶり そこそこ入ってる
・清潔さ 清掃はしっかりしてる
・接客 とてもよい
・客層 みごとに高齢者ばかり
・脱衣所 雰囲気が素晴らしい
・休憩所 脱衣場と兼ねる
・シャワーの出 ふつう
・備え付け なし
・貸しタオル なし
・サウナ なし
・温度 尋常じゃない熱さ
・眺望 壁画が塗りつぶされていた

住所
〒230-0071 横浜市鶴見区駒岡1-26-15
電話
045-572-4999
営業時間
14:30〜22:30
定休日
4日・14日・24日(不定もあり。)
※神奈川公衆浴場業生活衛生同業組合HP転載

井川湯

2017-04-15 11:30:29 | 銭湯
京急子安駅を降りると、目の前の第一京浜を横切り、そのまま海側にある住宅密集地の中へ。その狭い住宅路地を歩いていると、忽然と井川湯が現れる。
その日は平日の夜に訪れたのだが、周辺は街灯があるもののかなり暗い場所で、こんな所に銭湯があるのだろうかと不安になるぐらい人気のない場所だった。それと至る所に井戸があったのも驚きだった。
横浜は開港当時は近くに真水がでないのでわざわざ相模原から水道水を引いたという話を聞いたことがあったが、ここらへんは塩分が混じらないのだろうか?
井川湯は、このような住宅密集地の中にあるので、当然というべきか小さな作りになっている。入り口を前に立つと、独特な雰囲気。のれんをくぐると下足箱があるのだが、その下足箱もとにかく狭く、人が一人入ったらすれ違えないような狭さだ。当然、中も小さい。
ドアを開けると左側に番台があり、その周りは脱衣場と休憩所を兼ねているが、ロッカーが部屋の片隅にしかない。しかもその半分はカゴが置かれているので、実質使えるのはその半分。
脱衣場は狭い中にも色んなものが置いてあるので、雑然とした印象。自分が訪れたときは椅子に座ってる人が1人。浴室に1人。それと自分の計3人。女湯の方からは音が一切聞こえてこない。
浴室の作りは、左右の壁にカランが並び、その奥には浴槽がある。浴槽は、2つに分かれており、一つが白湯のみ。もう一つがバイブラ。仕切りの下側で互いのお湯が通じている。浴槽も当然小さく、頭を縁に預けて足を伸ばすと、奥の縁まで足が届いてしまう。
温度計は45℃を指し示していたが、そんなに熱いだろうか。肌感覚だと43℃前後に感じた。
壁画は、富士山の絵が描かれているのだが、男女あわせて一つの絵になっているので、富士山自体は女湯に描かれている(普通は逆なので珍しい)。男女の仕切りである壁のタイル絵は、三枚。一つは二宮金次郎の絵。もう二つは自分の乏しい知識からは分からなかった。
それと残念なのは、浴槽が汚いこと。タイルの目地がすっかり黒ずんでおり、こんなに黒ずんだ(掃除してないかどうかは別として)浴槽ははじめてだ。
浴槽の底は一部改修したらしくモザイク状に貼られていたが、それがかえってみすぼらしさを醸し出していた。
途中で先客があがり、気が付くと男湯は自分一人のみ。ほとんどの入浴時間が実質貸し切り状態だった。
貸し切り状態ということと、孤独感を高める静寂さ。井戸のある漁師町。井川湯は、不思議な時間が流れる空間だった。

【評価チェック箇所】
・値段 470円 
・アクセス(道程) 子安駅から近い。迷わなければ5分と掛からない
・周辺の環境 住宅密集地。現役の井戸は必見
・混雑ぶり 超ガラガラ
・清潔さ 清掃はしてる感じはするし、床のタイルは綺麗なのだが、肝心の浴槽が汚い
・接客 感じのよい対応
・客層 中高年
・脱衣所 ロッカーの少なさに驚く
・休憩所 昭和的な雰囲気
・キャパシティ 間に合ってる
・シャワーの出 あまりよくない
・備え付け なし
・貸しタオル あり
・サウナ なし
・温度 適温
・眺望 壁画、タイル絵ともに古典的