銭湯の散歩道

神奈川、東京を中心とした銭湯めぐりについて、あれこれ書いていきます。

中山浴場

2017-04-08 21:50:28 | 銭湯
JR横浜線中山駅を降りて線路沿いを歩くこと3分。線路沿いの踏み切りそばに、かなりシブい建物が建っている。緑区で唯一の銭湯である中山浴場だ。
近くの踏み切りはかつて人を助けようとした女性が身代わりになって亡くなるという痛ましい事故があった場所だが、今はその面影もない。
中山浴場は入り口手前に禁煙の文字があるのだが、中に入るとなぜか大きな灰皿が(?) それと下足箱には、やたらと鍵を持ち帰らないで下さいと書かれた紙が貼ってある。相当な被害をこうむっているのだろう。実際に客の数と比べてずいぶんと鍵のない下足箱が目立つ。
扉を開けると、番頭さんが顔をのぞかせる。ここでは下足箱の鍵を預けるルールらしく、引き替えにロッカーの鍵を渡された。
脱衣場は、やはり昭和の色を濃厚に残しており、全体的に老朽化も目立つ。それと通常の鍵付きロッカーはあるのだが、常連客がシャンプーや石鹸などを預ける棚は、鍵も扉もない。盗まれたりしないのかと思うのだが、ほとんど常連客ゆえに大丈夫なのだろう。地元に根ざした古き良き時代の銭湯という感じである。
浴室は、いたってシンプル。手前側がカランで、奥が浴槽。浴槽は二つに分かれていて、大きさは6:4の割合。6側が半分ジェットバス。4側がバイブラ。古い銭湯なのにバイブラはかなり勢いがある。この日は薬湯がワインの湯で、ふたつの浴槽ともに紫色をしていた。おそらく見た目だけで、効能は何もないだろう。
お湯に浸かると、温度は結構熱い。温度計を確認すると44℃だったが、個人的にはもっと高いような気がする。地元客は遠慮なくジャバジャバ水を入れて薄めていた。
客層はほぼ高齢者ばかりで、さかんに競馬の話に興じていた。途中で子どもを連れたお父さんが入ってくると、女湯にいた奥さんになにか連絡事を伝えていた。浴室は声が反響するせいでよく聞こえないらしく、奥さんがしきりに聞き返すと、子どもたちも大声で参戦。ずいぶんにぎやかな銭湯になった。ドラマではよくあるシーンだが、実際に目の当たりにするのは初めて。ここでも濃厚な昭和の空気が流れていた。

【評価チェック箇所】
・値段 470円
・アクセス(道程) 駅から近い
・周辺の店 コンビニや飲食店
・休憩所 昔ながらの脱衣場と兼ねてる
・混雑ぶり 意外にもけっこうお客さんはいた。若い人もいる
・清潔さ まずまず
・接客 特別愛想がいいわけではないが、おだやかな雰囲気の店主
・客層 年配者を中心に家族連れや若い人もいる
・脱衣所 テレビ以外は、すべてが昔ながらという感じ
・キャパシティ 間に合ってる
・洗い場仕切りの有無 なし
・シャワーの出 そこそこ
・温度 熱い
・高低差 なし
・眺望 男湯は、赤富士。なかなか壮観。
・食事 なし

反町浴場

2017-04-08 17:52:06 | 銭湯
東急東横線反町駅を下車して改札口の左側に回り込むと、すぐ目の前に反町浴場がみえてくる。これほど駅から近い銭湯はなかなかない。それと建物は一見とするスーパー銭湯のようだが、入浴料は一般の銭湯と同じ470円。
入り口の下足箱に靴を預けて中に入ると、自販機でチケットを購入。受付はビルゆえにフロント式。店員さんはいかにもいかつい感じだが、対応はふつうだった。フロントのそばに休憩所があって、客でにぎわっていた。
浴室は一階と二階に分かれていて、男女日替わりらしくその日は男湯が二階。二階の入り口には、一見するとマッサージチェアと思わせる椅子があるが、有料のドライヤーだった。のれんをくぐると脱衣場になるが、奥にベランダのようなスペースがあって、椅子も並ぶ。
浴室はほかの銭湯と比べると少し複雑な配置をしている。浴室内はおおまかにL字になっていて、手前半分が右側にカランを設け、左側が浴槽。浴槽部分には、サウナ、水風呂、シルク湯、メインとなる風呂、そのメインの風呂の両端に電気風呂が設置されている。壁画は、みなとみらいの写真。たぶん大桟橋から撮影されたものだろう。
奥側になると配置が切り替わり、左側がカランで、右側が浴槽(備長炭を使ったぬる湯やジェットバス)と続く。その一番奥が露天風呂になっている。露天風呂は、露天となっているが実際は室内。いわゆる半露天だ。
浴室に入って最初に目に付くのは、水風呂。打たせ湯のように輪になったシャワーが天井から落ちている。それと、この反町浴場の特徴は種類が豊富なのもさることながら、温度の幅が広いことだ。
シルク湯はおそらく44℃ぐらい。メインの風呂は42℃だろう。ぬる湯は38℃。ジェットバスは40℃ぐらいだと思われる。露天風呂もそれぐらいだろう。さらに露天風呂にもう一つ浴槽があって、常温風呂と記されている。常温とは何かといえば、温度管理されてない水風呂のことだ。その時の外気温に左右される水風呂だが、ここまで温度が多様な銭湯ははじめてである。それだけに、あらゆる入浴客に配慮がされているということだろう。熱いお湯が苦手な子どもはぬる湯につかれるし、熱いお湯が好きな入浴客はシルク湯でがっつり浸かれる。
施設は老朽化してる部分もあって決して綺麗な方ではないが、細かい部分でいろんなこだわりがあり、スーパー銭湯並の充実したお得感満載の銭湯だった。

【評価チェック箇所】
・値段 470円
・アクセス(道程) ものすごく近い
・周辺の店 コンビニや飲食店など
・休憩所 家庭的な感じ
・混雑ぶり そこそこ混んでる
・清潔さ ちゃんと掃除されている
・接客 普通
・客層 年齢層のバラランスがよい
・脱衣所 きれい
・キャパシティ 間に合ってる
・洗い場仕切りの有無 なし
・シャワーの出 良い
・温度 いろんな温度の浴槽がある
・高低差 なし
・眺望 そんなによくない
・食事 なし