鳴滝塾

地方創生にいみカレッジ「鳴滝塾」は終了し、
地域共生推進センター「鳴滝塾」として開講しています。

第40回鳴滝塾

2019-04-23 | ☆定期講座

 
 4月23日(火)午後6時から新見公立大学多目的ホールで第40回鳴滝塾が開かれた。新見青年会議所が37年前の昭和57年(1982)、創立15周年記念事業として、元映画プロデューサー・斉藤次男氏に依頼して制作したまちづくりスライド「新見歴史創造計画」(195カット、45分。ナレーターは元NHKアナウンサー・和田篤氏)を鑑賞し、約40年前の新見と現在の新見を比べながら、その間に新見はどう推移してきたのか、これからの新見はどうあるべきなのかを考えた=写真

 
 スライドは第1部「山と神々と独立の旗」(21分)第2部「未来は新見をよんでいる」(24分)の2部構成で、一人の旅人が見た新見の姿や新見の将来が描かれている。(「阿新」という語がたびたび出てくるが、平成17年に現在の新見市に合併する前の旧新見市と阿哲郡4町の総称である)
 スライド制作に携わった同青年会議所OB会員やスライドを初めて見るという同青年会議所現役会員、新見市職員、一般塾生など11人が鑑賞した=写真

 
 第1部では「時の政権に従わないものを鬼と呼ぶならば、吉備の山々にはそうした鬼があふれており、それを退治するためのシンボルとして生まれたのが桃太郎である」と語りはじめ、「だが、われわれは、ここで、一歩ひいて考えてみなければならない。桃太郎が滅ぼそうとした鬼は、実はわれわれ阿新の先祖であった。そして見方を変えれば、鬼たちの戦いは阿新を守ろうとする正当な行動であって、むしろ桃太郎が侵略者であり鬼であると考えて何らさしつかえないのである。そして、われわれが新しいまちづくりに取り組もうとするならば、彼らの掲げた独立の旗を現代にどう立て直すのか。そこに、新しい新見の出発点がある」と語られた。


 
 「新見は広い。広い新見の山や川を歩けば、白いもの、黒いものにぶつかる。白いもの、それはいわずと知れた石灰産業、昔栄えたという紙づくり、神に捧げた白い米を指している。黒いもの、それは鉄であり、木炭であり、千屋牛である。それら一つ一つの中に新見の喜び、哀しみが重くたれこめている」

 
 「新見、それは穏やかに見えながら、どこにもお目にかかれないような不思議な歴史が吹きすぎた街である。しかし、ふりかえってみれば、それらの歴史の中から、新見は一本の大きな綱をより合わすことはできなかった。時の流れを上手に泳いではきたが、四方の人々に愛想よく付き合ってはきたが、数千年の歴史の中から新見独自の確固たる統合目標をつかみだすには至らなかった。見あげれば、阿新の山のかなたから独立の旗はどっとおしよせてくる」と語られた。


 
 第2部は、歴史・風土から産業、教育へと展開していく。
 「阿新の山々に独立の旗をうち立て『栄光の吉備王国を復権させるときが来た』と力いっぱい旗をふる」
 「歴史は刻々と動いていく。鉄と石油とコンクリートの二十世紀文明はすでに限界に達しつつあり、いま人々が真剣に求めているのは、地球上の緑を守り、その中で人間の未来を創り出そうとする新しい生き方である。それは、ただれた大都市文明から緑の文明への転換である。そして、阿新の86%は山である。この緑の波の中へ独立の旗を一本一本打ち立てていく時、新見は二十一世紀において最も希望に満ちた台地となるのである」

 
 石灰産業が取り上げられ、「独立の旗は伝統を誇る石灰産業の中へ世界最新の砕粉技術を導入しようとする動きを歓迎する。それによって石灰をミクロ単位まで砕くことができたならば、医薬品、食料品、建材、セラミックなどの分野で新たな需要を生みだすことができる。それにともなう新たな石灰関連企業や研究施設も必要になってくる。それが白いものの伝統を生かした新見の新しい転換の道なのではないだろうか」

 
 次に、千屋牛が。
 「阿新…… それは牛とともに生きてきた歴史でもあった」
 「阿新全体で千屋牛ブランドの大々的PRを行い、新見へ来たらいつでもおいしい千屋牛が食べられる店をつくる。さらに千屋牛の直営レストランを大阪や東京にどんどんつくっていく。千屋牛の流通革命を成し遂げることは、とりもなおさず新見のまちの土台を変えていくことであると、太田辰五郎(千屋牛の祖)は墓の下から叫んでいる」

 
 そして、「むかし、人々は黒いものと白いものを結びつけて山の幸を増やすという優れた生き方をあみだした。その知恵をもう一度、現代によみがえらせることはできないであろうか」と、〝グリーン・コンビナート〟を提案する。



 
 「新見の未来は、教育都市構想の中に集約される。教育を大切にしてきた伝統、そして教育にふさわしい環境。それは新たな産学共同体制をつくりあげ、そこから生まれた人材は、新見の未来の扉を確実に押し開いていくであろう」


 
 スライドを制作した斉藤次男氏は、スライド冊子の中で「行政の上から目線ではない、住民による下からのまちづくりへと意識変革することの重要性」を示している。それは「自分のまちをよく知り、それを愛していくという、心の内から始まる」とも述べている。
 さらに「人々の間に利害対立があろうとも住んでいるまちを良くしていきたいという心は、皆同じであるはず。その共通目標を発見し、それに向かって行動を起こすことで、より次元の高い具体的な課題が浮かび上がってくる」と述べ、「意識開発、参加、行動という流れは、何度も繰り返され、次の世代へ受け継がれていく、決して終わることのない活動である」と締めくくっている。
この記事についてブログを書く
« 第39回鳴滝塾 | トップ | 第41回鳴滝塾 »