池田 悟≪作曲家≫のArabesque

・・・深くしなやかに・・・(フランス語に訳してます)

第33回島村楽器音楽コンクール講評

2020-01-19 | 島村楽器音楽コンクール

今年の審査も大いに楽しませて頂いた。
音楽の最高の瞬間ってどこだろう? 音楽が元の音楽に戻る時、扉が開く…そこではないか。
今回演奏された曲では
・ショパン「ワルツ」:扉を何度もノックするが「押してダメなら引いてみよ」と開く。
・ショパンの2曲のソナタやハチャトゥリアン、サン=サーンス:困難を乗り越えながら、二つ、三つと扉が開いていく。
・リスト「超絶技巧練習曲 f moll」:嵐に揉まれ、ついに海が真っ二つに分かれて扉が現れる。

・ラロ「チェロ協奏曲」やヴィドール「序奏とロンド」(クラリネット):その時、身をよじらせ、悶える。
・マルティヌー「フルートソナタ」:部屋が散らかって、どこに扉があるのか分かり難い。よく探すと、そこだけ清らか。
・プーランク「フルートソナタ」:同じ扉がいくつもあるが、少しずつ色が違って、最後の扉がハ長調の神の声と共に開く。
・カデンツァも扉:ほとばしるように気持ちを出したり、民謡を歌っていたら突然森に迷い込んだり。

色んな扉があるね。 その扉を開けて通ると、同じ自分に戻る訳ではない。少し成長している…それが扉の魔力!
今日も素敵な曲と素晴らしい演奏、ありがとう!
(第33回島村楽器音楽コンクール本選会で私が述べた講評/紀尾井ホール)


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