主将を任されていた彼は、
チームがまとまらず、よく監督から「キャプテンとして十分苦しめ、それが出来なきゃ、キャプテンを辞めろ」…と言われ続けてきた。
主将とは
自らのパーソナリティーに応じ、
それぞれのやり方でリーダーシップを発揮する 。
プレーでチームを引っ張る者
話術でチームをまとめる者
元気でチームを盛り上げる者
試行錯誤しながらもチームは中々まとまらず…。
ある日のゲームでのこと。
彼はファールフライをつかもうと懸命に走った。
勢いあまって電柱に激突。
ガンと鈍い音がし、グランドが凍りついた。
静寂の中…
彼がゆっくり起き上がった。
額から血が流れ鼻血も出ていた。
彼はその姿のまま、全力でポジションに走ろうとした。
彼は『根性』でチームを引っ張ることに決めたのだった。
『根性』でチームを引っ張った彼は、
その後、優勝がかかった試合でホームランを打った。
彼にとっての初ホームランだった。全速力で戻ってきた彼を、ナインは満面の笑みと拍手で称えた。
チームがひとつになった瞬間だった。
