縄文時代の「火焔式土器」
かの岡本太郎もこれを見て感動したエピソードは有名です。
「芸術は爆発だ」の名言の元となったのが、縄文時代の芸術的な作品群です。
「火焔土器」と似たような土器が次々と数多く発掘され、「火焔型土器」と総称されるようになりました。
この芸術的な土器がひとつではなく、さまざまなところで見つかり、
しかもこの土器は日常の煮炊きに用いられていたことがわかっています。
現代日本とは、時間の流れ方も価値観も違う文化が醸成されていたことが窺い知れます。
調理器具は効率重視で、デザインはシンプルで飽きのこないもの、
扱いやすく(重すぎないなど)、傷がつきにくい素材で(ステンレスや鉄など)、洗いやすいもの(表面がつるっとしているなど)を選びます。
普段使いに、この火焔型土器は選べません。
なぜこのような模様と凝ったデザインになったのでしょうか。
そこには人間の「思い」が込められていたのではないでしょうか。
植物や動物を煮炊きして「食べる」という営みに捧げる感謝の祈りです。
神への畏敬の念です。
発掘されたときに形や模様が火焔のように見えたから「火焔土器」と名付けられその名が浸透しました。
ぴったりな忘れない名称だと思っていましたが、
先日保江さんの数年前の講演動画を見ていたら、
あれは炎ではなくて水なのではないかという説に賛同されていて、
よくよく模様などを見てみると確かに、そのようです。
土器の下半分の模様は少なくとも水の流れで間違いないと思います。炎ではない。
模様は真っ直ぐ平行な線が複数描かれたり、渦を巻いたりしています。
上は動物に見えます。動物を煮ている様子でしょうか。
もしそうなら、上ののこぎりの歯のような形状も、茹っているお湯、水を表現しているのかもしれません。
そしてたとえそうだったとしても、水だったとしても、火焔に見える人がいてもいいと思うのです。
芸術とは、創造を想像して楽しむものです。芸術鑑賞の良さは想像を自由に羽ばたかせられるところです。
高校日本史の教科書(山川版)を見ると、
遮光器土偶と石棒を並べた写真を掲げてその脚注ではなく本文で、
「女性をかたどった」
「男性の生殖器を表現したと思われる」
と書いてありました。
高校生はこれを試験勉強で暗記させられているのでしょうか。
縄文時代の人々の願いはおそらく今以上に「子孫繁栄」でしたから、説明はそれでもいいのでしょうけれど、、、これは何かと問われて、
「宇宙人」と「魔法の杖ではないか」
と答えても正解な世の中であって欲しいです。(笑)
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