美島奏城  豊饒の海へ

豊饒の海をめざす、教育と文芸と風流に関する備忘録

日乘  杉浦日向子讃

2006年07月25日 | 教育

 

平成18年7月25日(火)午後から
 
 
秋元不死男 忌 <行年75歳> 
 
 
 本日は「夏氷の日(「な(7)つ(2)ご(5)おり」の語呂合せ)だそうである。日本かき氷協会が制定したそうだ。夏氷とは,つまり,かき氷のこと。
 今のようなかき氷が広まったのは明治になって,
製氷技術が確立してからだ。
 それ以前は,冬に凍った天然の氷を切り出し,氷室に保存して食していた。とはいえ,それは貴族や大名クラスの贅沢品であった。

 

 かき氷といえば,ミルク宇治金時が豪華であろうか。
 しかし,氷を味わうなら,砂糖水をかけただけの水
(すい)
にかぎる。氷の透明感が切子硝子の器に似合うからだ。
 とはいえ,今日も梅雨空で旨いかき氷は食しようもない。


 同じ食べ物関係でいうと,今日は「味の素」がつくられた日でもある。明治41年(1908年),化学者で東京帝国理科大学(現在の東大理学部)教授の池田菊苗が,「グルタミン酸塩を主成分とせる調味料製造法」の特許を取得したのであった。
 まぁ昆布だしは何故旨いかという疑問から出発した訳である。

  

  さてトップ画像は故・杉浦日向子の文庫本。あのNHKの歴史バラエティ「お江戸でござる」で和服姿で解説をしていた方だが,私は彼女の著作には,ほとんど目を通している。

 江戸時代の研究家になるために漫画家になった由。それで漫画家として名を成した後は,江戸研究家として活躍されたのだった。
 昨年の7月22日,46歳の若さで逝かれましたが,病魔を自然と受け入れ,天命を全うした,江戸っ子の気風のよさをもっていた方であった。というわけで,風流のトップに来ていただいた。

 

         夏氷陽に透かし見る日向子の忌 奏城


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