美島奏城  豊饒の海へ

豊饒の海をめざす、教育と文芸と風流に関する備忘録

吉村昭 著 『死顔』

2009年07月08日 | 読書もどき

   

   故あって、しばらく「子どものいる風景」は書くことができない。

  

  今月(7月)の新潮文庫の一冊に故・吉村昭氏の短編集『死顔』が加わった。3年前、自ら延命治療を拒絶し、事実上の自決を行った氏である。

  死の直後に単行本が出て、それも購入したが、コレクターとしては文庫本を購入しないわけにはいかない。

 

  文庫本には氏の妻で作家の津村節子氏の「遺作について」も収録されている。もちろんその文章も雑誌「新潮」で読んではいたが、同じ本に収録されていれば便利である。さらに、評論家・川西政明氏の「解説」もある。

  かくして、購入しないわけにはいかないのだ。

  7月31日は氏の命日である。