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読書と旅行と柴犬のブログ
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ヤプログから引っ越してきました。

映画「バスキアのすべて」作品の良さは分らなかった、価値は自分で見つけるもの

2011-01-31 19:09:51 | ミニシアター系映画
「バスキアのすべて」★★★
ジャン=ミシェル・バスキア、ファブ・5・フレディ、
ジュリアン・シュナーベル、マリ・ポール、アニナ・ノセイ出演
タムラ・デイヴィス監督、88分、2010年12月18日公開、
2010年,アメリカ,CJ Entertainment Japan
(原作:原題:JEAN-MICHEL BASQUIAT:THE RADIANT CHILD)






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「バスキアの作品を見て
すぐに彼の作品と分る人はそう多くないだろう、
でも結構目にしていることは
この映画を見ると分る、
同時代のキース・ヘリングとの軽やかなポップさと
ちょっと違う代表的な作品から
彼の製作の様子まで
未公開インタビュー映像と、
彼を支えた友人たちへの取材映像で構成。」



'88年に27歳の若さで薬物中毒で他界し、
今年が生誕50周年にあたる
ジャン=ミシェル・バスキアのドキュメンタリー。

彼の映像がもっと見られるかと思ったが
本人の映像は思ったより少なかった、
未公開のインタビューと写真、
多くは当時の彼を知る人達のインタビューと
語りでバスキアの登場から最後の日々を
綴っている。

映画自体が
何処かに導こうとしていないのが良い、
悪意もなければ、
ことさら崇拝するような部分も無く、
インタビューされる人によっては
同じ人の印象が違っているのも
人間味が伝わってくる。



彼は短い間に膨大な作品を残している
今その価値がどのくらいなのか知らないが
ぱっと見では自分にも描けそうな
直線的で子供がクレヨンで
手を上下させて塗るような
そんな力強い線が印象的な作品を
鼻歌を歌いながら
軽くステップを踏みながら描く様子が
写しだされるが
彼が最後には薬物中毒で亡くなったことを思うと
それは見せたい自分だったのだろうな。



子供のように人から褒められて
喜んで創作意欲を湧かすような
そんな印象を持ったが

表現することとその結果としての評価は
やはり切り離せないものだったのだろう、
神経衰弱となり
28歳という若さで薬物中毒で
この世を去った若き天才、
輝くような笑顔が瞼の裏に焼きついた。



★100点満点で65点

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「バスキア 」1996年 米/出演: ジェフリー・ライト / デヴィッド・ボウイ / デニス・ホッパー / ゲイリー・オールドマン
こんな映画もあったな。



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映画「嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん」エグイ現実をふわっと描いた不思議

2011-01-30 11:54:36 | インポート
「嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん」★★★
大政絢、染谷将太、三浦誠己、山田キヌヲ、
鈴木卓爾、田畑智子、鈴木京香出演
瀬田なつき監督、110分、2011年1月22日日公開、
2010,日本,角川映画
(原作:原題:嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん)





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「シリーズ累計130万部を突破した
ライトノベルを原作とした本作。
10年前に起きた誘拐監禁事件の
被害者であるみーくん(染谷将太)と
まーちゃん(大政絢)の周辺で
連続して起きている奇妙な事件の真相と、
10年前の事件の秘密が描き出される。」

(HP映画生活より)


簡単なストーリーをまとめようと
考えたが複雑だったので
よく見ている「映画生活」のHPの
解説を引用させてもらった。

でもこの解説では映画の内容は
もちろん伝えきれていない、
だいたい見ている途中でも
分ったつもりで見ていて
アレ、どうなってるんだ?って
少なくとも2回はそれまでの考えが
違っていたんだろうなと思う瞬間があったから。



破天荒とも感じる主人公達の行動や
現在の状況は映画の中だからこその夢物語、
そのムリな設定を染谷将太と大政絢の
ほわぁーんとした雰囲気が
細かいことなんかどうでもいいやって。



染谷将太は「パンドラの匣』」でも
透明な存在感というか
全体の中でひとり別の世界に居るような
捕え所のない雰囲気を持っていたが
この映画でもその雰囲気は
現実的なストーリーのつじつまとか
どうでもいいかと思わせる、
結局今見ているその瞬間さえ面白ければ
それこそが大切な気にさせてくる。

人間の脆い心は壊される
けれど何度でも回復出来るだろう
それは周囲の理解や関心が
しっかりとその人の心に届くことが必要だ、

人と関わることは難しい、
けれどそこに喜びもわるわけで
だから人は今日も支度をして
玄関のドアを開けるのだ。

映画館で見逃したら損するとまでは言わないが
映画館の空間でこの映画と対面するのと
レンタルで見るのとでは
この映画の持つ雰囲気は
損なわれてしまうのかもしれない、
でも1.800円出すなら・・・どうかな。

★100点満点で65点

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「パンドラの匣 」★★★生命力に溢れすぎない溌剌とした清冽な印象
★100点満点で65点★


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映画「ソーシャル・ネットワーク」アカデミー賞8部門ノミネートの実力

2011-01-27 22:24:23 | 大作映画ハリウッド系
「ソーシャル・ネットワーク」★★★★
ジェシー・アイゼンバーグ、アンドリュー・ガーフィールド、
ジャスティン・ティンバーレイク出演
デヴィッド・フィンチャー監督、120分 、2011年1月15日公開、
2010,アメリカ,SPE
(原作:原題:THE SOCIAL NETWORK)




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第83回アカデミー賞の候補が25日にロサンゼルスで発表され、
『英国王のスピーチ』が作品賞、監督賞、主演男優賞をはじめ
最多12部門にノミネートされた。
続いてコーエン兄弟の『トゥルー・グリット』が10部門、
現在日本公開中の『ソーシャル・ネットワーク』、
渡辺謙も出演した『インセプション』が8部門の候補となった。



「アカデミー賞だけが映画の価値を決めるわけでは
もちろん無いけれど、一定の評価は分る、
8部門ノミネートの話題作、
そうなると期待して映画館へ、
速射砲のようなセリフの洪水、
主人公には確かに才能のひらめきを感じた、
ソーシャル・ネットワーキング・サービス「Facebook」は
世界規模で広がり大成功を納めたが
人間関係ではどうだったかを冷静に描く傑作」



映画の出来としては文句ない。
あとは好き嫌いの問題だ。


創始者マーク・ザッカーバーグ(ジェシー・アイゼンバーグ)は
成功を夢見たというより
自分の造った新しいサービスに多くの人たちが
共感し今も使ってくれるという幸福を
感じたかっただけなのかもしれないが、
組織が巨大化するにつれ
ビジネスの冷徹な部分が
経済的な成功こそが唯一価値のあるもののように
変化していく様子を
熱い映画なんだけど、
物凄く冷静に見つめた映画となっていた。



誰だって「成功」を夢見る
なれたかもしれない「もうひとり」の自分を
ふと想像しない人はいないだろう。

けれどそれを実現するには
それなりの覚悟と犠牲が必要だ、

もちろん「才能」なくしては
全てが夢物語だ。


和解のテーブルで皆が権利を主張している場面でも
主人公はパソコンから目を離さず
ひとり別世界に身を置いているようだ、
ここまで「何か」に自分の全身全霊をかけて
何かやり続ける、やり抜く決意があるのかと
こちらに迫ってくるようだった。



この映画の結末は
天文学的な財産を獲得できたが
友人の居ない孤独な青年という
ちょっとほっとするようなものとなっている、
でも自分達は知っている
この結末は別に悲劇的でも無く
多くの人が心の底では憧れるものだと。

この皮肉な結末を見届けて
劇場を後にすると
なんだかもやもやとしたものが
いつまでも心の中に張り付いていた。



★100点満点で80点

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すっとぼけた主人公を演じるジェシー・アイゼンバーグは何度か顔を見ている。

ゾンビランド(2009)

アドベンチャーランドへようこそ<未>(2009)
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映画「しあわせの雨傘」全編カトリーヌ・ドヌーヴの映画

2011-01-25 07:42:31 | インポート
「しあわせの雨傘」★★★
カトリーヌ・ドヌーヴ、ジェラール・ドパルデュー、
ファブリス・ルキーニ、カリン・ヴィアール、ジュディット・ゴドレーシュ出演
フランソワ・オゾン監督、103分 、2011年1月8日公開、
2010,フランス,ギャガ
(原作:原題:POTICHE)





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「フランソワ・オゾン監督の変幻ぶりに困惑しつつ、
軽めのコメディとして楽しい時間を過ごす、
自分の美意識を貫く作品を送り出していた監督が
最近はエンタメとしての映画を意識し出したのか
オゾン色があまり感じられないシャレた映画」



スザンヌ・プジョー(カトリーヌ・ドヌーヴ)は、
朝のジョギングを日課とする幸せなブルジョワ妻。
妻としての役目を果たす「飾り壺」と言われているが、
それ程不満にも思わず
割と楽しい日々を送っている。

娘にも「お母さんみたいな飾り壺にはなりたくない」と
普通に言われて顔が曇るが
そんなことより紅茶を楽しみましょうと
上流階級の生活を楽しんでいる、

ところが旦那の病気で「経営」に乗り出し
それがうまくいくことで
自分の才能に気付いていくという
お気楽なコメディ映画。


結局全部が夢物語、
何か考えさせるとかそういう映画じゃなく、
フランス映画女優のアイコン的存在の
カトリーヌ・ドヌーヴの為の映画、
ラストには歌声まで披露してくれている。


オゾン監督の映画として見に行くと
肩すかしを食らうが、

終わってみれば、やはりこれもオゾン印、
きっと幼い頃から大スターだった
ドヌーブと映画を作ることだけで
監督的には満足だったんじゃないか。

こんなに色んなことが
最初からトントン拍子でうまくいくことなんて
現実的じゃないが
劇場の椅子に座って100分余り
夢のような物語を見るのは
外の寒さを忘れて笑える良い時間。



次はオゾン色どっぷりの人間ドラマを
ドヌーブ主演で
彼女と監督の代表作となるような作品に期待したい。


★100点満点で65点


soramove
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ジェラール・ドパルデューとドヌーブが踊るシーンなんて
笑うしかない特典映像でした。

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映画「白いリボン」その白いリボンが象徴するものは?

2011-01-21 19:09:02 | インポート
「白いリボン」★★★★
クリスティアン・フリーデル、レオニー・ベネシュ、ウルリッヒ・トゥクール、
フィオン・ムーテルト、ミヒャエル・クランツ、ブルクハルト・クラウスナー出演
ミヒャエル・ハネケ監督、145分、2010年12月4日公開、
2009,ドイツ、オーストリア、フランス、イタリア,ツイン
(原作:原題:DAS WEISSE BAND)





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2009年カンヌ国際映画祭パルムドール受賞作品。

「モノクロのチラシには
無表情の少年の頬に涙が流れ
明るい内容の映画じゃないだろうな
そのくらいしか分らずに劇場へ、
息詰まるような濃密な時間を過ごした」



その小さな村は大地主が支配し
教会の教えが村人の生活の規範を支えていた、
それは1913年のドイツの田舎では
珍しくないことだったのだろう。

堅苦しい挨拶、親と子の間でも
親密さより主従関係を明確にさせるような
明確な上下の関係が厳しく律せられていた、
息苦しい雰囲気、モノクロの画面
そして事故なのか
悪意のある事件なのか
いくつかの事柄が小さな町を揺るがしていく。

この村で何が起こっているのだろう、
何もかもが胡散臭く
見せかけの整然とした生活が
もう爆発寸前のようだ。



話は現在から当時を振り返り
年老いた教師が自分の記憶を頼りに
その頃の村の様子を語るのだが、
やはりそれは彼の視線であり
結局殆どの事件は解決されたのかどうかも
分らないままだ。

何が起きたのかは明確だ、
でもどうしてもそこに自分達は
「何故」や「誰が」と
答えを求めてしまうが

自分達は時々そんな常識的なことなんか
ぶっ飛んでしまうような
不条理なことが起こることも、知っている。



「白いリボン」は映画の中では
子供を罰する象徴として
子供の腕に巻かれている、
でもそんなふうに明らかに分るような
「悪」よりもっと大きな
「悪意」が世界にはあり

それは第一次世界大戦の号砲とともに
始まったのだ。


文学作品を読んだような
明確な何かは提示されないが
それがかえってこの映画の印象を強くする、
気軽に見られるような映画じゃないが
これも映画の力、
満足感に浸りながら劇場を後にした。


★100点満点で75点


soramove
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ミヒャエル・ハネケ監督は常々「私の作品は観客にポップコーンを食べさせない。」と
言っているようだが、この映画では何かものを食べる音は禁物です。

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