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書籍「人質の朗読会/小川 洋子著」もう今はここに居ない人達のお話を読む

2012-04-12 00:36:23 | 読書の時間
書書籍「人質の朗読会/小川 洋子著」★★★★
小川 洋子著 ,
中央公論新社、2011/02
( 247ページ , 1,470円)



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「隔絶された場所から、彼らの声は届いた。
紙をめくる音、咳払い、慎み深い拍手で朗読会が始まる。
祈りにも似たその行為に耳を澄ませるのは
人質たちと見張り役の犯人、
そして…しみじみと深く胸を打つ、
小川洋子ならではの小説世界。 」

(「BOOK」データベースより)


小川洋子の小説はすでにひとつの世界を持っている、
読み始めると、しんとした小説世界に
ストンと落ち込み
しばし現実から離れて
まるでその場所にいるように
息をひそめて読み進んで行く。



本書の舞台は地球の裏側
しかも人質に取られた人達が
せっかくの時間なので
ひとりずつ記憶の中の物語を
語り合おうというもので
そんなどこから設定を考えつくのだろうと思いながら
ひとりひとりの物語に
彼らと一緒に耳を澄ませるように
読み進める
頭の中にはその状況がほんやりと浮かぶ。



冒頭に彼ら人質は死んでしまった事実が
知らされるからか
彼らの確実に生きていた時の記憶が
なんとも残酷で無残な気持ちにさせる

彼らはその時確かに生きて
何気ない日常を送っていた
将来自分達は地球の反対側で
ちょっと考えられない状況で
死んでしまうことなんか知らずに。


人は必ず死んでしまう
そのことを考えだしたら何も手につかないが
どうしてだかそんな事実を
じつにうまくやり過ごして
自分達は毎日を平穏に過ごしている
その一分一秒が愛しく感じられる
そんな小説だった、
とても不思議で
だけどとても身近に感じた。



こんなふうに小説はひととき
自分をどこか別の場所に連れ去り
その時間全く異質な世界にひととき遊ぶ
そんな時間をくれる。
本を閉じた時
最後に「何か」一呼吸あるような小説
そんな小説を求めて
本を読み続けるのだろう、
この本にはそんな「何か」が感じられた。



★100点満点で80点


soramove
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