ある日僕は旅に出ることにした。ひとところの場所にとどまっているには僕の中の孤独はあまりに大きくなり過ぎていたから。
本当は、ずいぶんと前からその存在には気づいていたのだけれど、長い間見て見ぬふりをしていた。あるいは、気付かないふりを続けていた時間が少し長すぎたのかもしれない。それは、今となっては僕を飲み込んでしまいそうなくらいに大きくなっていた。
旅に出ることが何かの役に立つとは正直あまり思えなかった。ただ、それでもここで終わりを待つよりはと僕は歩きだすことにした。暗い所ですべてを終えてしまうのはどうしても嫌だった。
僕は歩く。
草原を。砂漠を。
川沿いを。海辺を。
小さな村も、大きな街も
ただ僕の脇を音も無く通り過ぎていくばかりだった。
他人の瞳の中を覗いてみたところで僕の探しているものは見つからないという確信めいたものがなぜかあった。だから、僕はどちらかといえば人のいないところばかりを探した。
それでも、痛みはけっして景色に溶けることはなく、憂鬱は色を増していくばかりだった。
そんなある日、やっと僕は終着点にたどり着いたのだった。
それは、うすい水色の部屋で、僕にぴったりだった。
その色や形、他のすべての要素が終わりを予感させた。
あるいは、単に僕が旅を終えることを強く望んでいた、というだけのことだったかもしれない。
もうそれを確かめるすべはないのだけれど。
答えは結局のところ見つからなかった。今にして思えば、探す場所をまちがえていたのかもしれない。ただ、大人は自分の内側を旅する方法を知らない。もしかしたら、子供だって知っているのはほんの一握りかもしれない。どちらにしろ、僕は少し年を取りすぎていた。
それでも、僕は自分で自分をほめてあげたいような気がした。
さあ、目を閉じて。明日もう一度挑戦しよう。
・・・待ち望んでいた眠りはいつまでもやってはこなかった。
僕は寝ることを諦め、ベッドの上に横になってただじっと、世界の終わりを眺めていた。
本当は、ずいぶんと前からその存在には気づいていたのだけれど、長い間見て見ぬふりをしていた。あるいは、気付かないふりを続けていた時間が少し長すぎたのかもしれない。それは、今となっては僕を飲み込んでしまいそうなくらいに大きくなっていた。
旅に出ることが何かの役に立つとは正直あまり思えなかった。ただ、それでもここで終わりを待つよりはと僕は歩きだすことにした。暗い所ですべてを終えてしまうのはどうしても嫌だった。
僕は歩く。
草原を。砂漠を。
川沿いを。海辺を。
小さな村も、大きな街も
ただ僕の脇を音も無く通り過ぎていくばかりだった。
他人の瞳の中を覗いてみたところで僕の探しているものは見つからないという確信めいたものがなぜかあった。だから、僕はどちらかといえば人のいないところばかりを探した。
それでも、痛みはけっして景色に溶けることはなく、憂鬱は色を増していくばかりだった。
そんなある日、やっと僕は終着点にたどり着いたのだった。
それは、うすい水色の部屋で、僕にぴったりだった。
その色や形、他のすべての要素が終わりを予感させた。
あるいは、単に僕が旅を終えることを強く望んでいた、というだけのことだったかもしれない。
もうそれを確かめるすべはないのだけれど。
答えは結局のところ見つからなかった。今にして思えば、探す場所をまちがえていたのかもしれない。ただ、大人は自分の内側を旅する方法を知らない。もしかしたら、子供だって知っているのはほんの一握りかもしれない。どちらにしろ、僕は少し年を取りすぎていた。
それでも、僕は自分で自分をほめてあげたいような気がした。
さあ、目を閉じて。明日もう一度挑戦しよう。
・・・待ち望んでいた眠りはいつまでもやってはこなかった。
僕は寝ることを諦め、ベッドの上に横になってただじっと、世界の終わりを眺めていた。