そらち旅日記 Vol.2

北海道空知総合振興局の職員が集めた旬の情報を、そらちの風に乗せてお届けします。

「ガタタン」ブーム、火付け役はお母さん? ~ 芦別「宝来軒」

2012年01月26日 | 空知の食
「ガタタン(含多湯)」とは、お団子を含めて肉、野菜、卵など
10種類以上の具を入れてとろみをつけた塩味のスープのこと。
戦後、旧満州から引き上げてきた村井豊後之亮さんという方が
芦別駅付近で開いた飲食店が「幸楽」。
ここで出した中国の家庭料理をまねた「まかない料理」が評判を呼び、
お店のメニューに加えたというのが始まりだそうです。

当時の「幸楽」はすでに店じまいをしていますが、
元炭鉱マンなどかつての「ガタタン」の味を懐かしむ声も多かったといいます。
この「ガタタン」を芦別の名物にできないかと立ち上がったのが、
ここ「宝来軒」のお母さん(多分お父さんも)。

    


この話を芦別市役所に持ちかけたところ、
商工観光課では市内の飲食店にガタタンメニューを取り入れるように働きかけて
「ガタタンマップ」を作成するなど、芦別市をあげてPRに努めてきました。
またボランティアの方も札幌の雪祭り会場などでPR、こうした取り組みの結果、
テレビや雑誌などにも広く取り上げられるようになり「ガタタンといえば芦別、
芦別といえばガタタン」と言われるほどメジャーな名物料理になりました。
現在では、13店舗が工夫を凝らしたオリジナルなガタタンメニューを提供しています。

  


本来、「ガタタン」はお団子が入った具だくさんのスープですが、
様々なバリエーションが生まれています。
ここ宝来軒はガタタンメニューの豊富さではピカイチ。
最近では、何とドリアやリゾットまで。




ここはやはり正統派の「ガタタン」をオーダーしてみましょう。
みんなで決めた「ガタタン」のルールは最低限、塩味であることと、
お肉と野菜とお団子と卵を入れることだけで後はお店の自由。
宝来軒のガタタン具材は、この約束事を踏まえて、豚肉、イカ、シイタケ、
竹の子、キクラゲ、チクワ、ナルト、フキ、こんにゃくに溶き卵。
お団子は、上新粉と白玉粉と小麦粉と片栗粉を練ったもの、
モッチリした感触で素朴な味わいです。
とろみのついたスープが熱々でおいしい、ホントに温まります。




小鉢にこうして取り分けながらいただくと、最後までスープのとろみが楽しめるのだそうです。
ところで具の中に半透明なナタデココみたいなものが入っていましたが、
これは実は「こんにゃく」だったんですね。言われるまでわかりませんでした…。




実は、この「ガタタン」の作り方、
お店のホームページに惜しげなく公開されているんです。
「地元の人たちに愛されなくちゃ本物じゃない、
家庭でもどんどん作ってほしいからね」とお母さん。
そうですよね、まったく同感です!

さて、こちらは「ガタタンチャーハン」、
卵チャーハンに「シーフードガタタン」をかけたもの。
具材は、鶏肉に、エビ、イカ、ホタテ、カニ、ツブのシーフード、
ニンジン、竹の子、グリーンピース。おっと、ナルトとチクワもシーフードでしたね。
溶き卵は卵白のみを使って白く仕上げています。
チャーハンの卵の黄色とのコントラストが美しい。
シーフードのダシがきいた優しい味わいで、どんどんいけます。
この店を訪れた大泉洋さんもイチオシの味だそうです。




ところで、たくさんあるガタタンメニューですが、
オーダーの7~8割が「ガタタンラーメン」だとか。
次は「ガタタン」と「ガタタンチャーハン」が半々くらい。
え~、そうだったんですか? でもさすがにもう入らないしなぁ。
ここのメニューはほとんどお持ち帰りができますが、ラーメンじゃ伸びちゃうし…。
よほど残念そうに見えたのでしょうか、奥で調理をしていたお父さんが
そっとこんな物を出してくれました。



最近発売されたという麺とスープの素が入った「ガタタンラーメン」。
これがけっこういけるんだそうです。
2食入りで300円、道の駅などで販売しているとのこと。
ありがとうございました、帰りがけに絶対買って帰ります。
ということで、次回はこの「ガタタンラーメン」をお家で作ってみましょう。

宝来軒、元気いっぱいのお母さんと優しいお父さん、とっても素敵なご夫婦でした。
これからも「ガタタン」普及のために頑張ってくださいね!
今度また違うメニュー食べに来ますよ。




宝来軒
芦別市上芦別38番地83
TEL 0124-23-1504
11:00~15:30/17:00~20:00
月曜定休
http://www.gatatan.com/

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