そらち旅日記 Vol.2

北海道空知総合振興局の職員が集めた旬の情報を、そらちの風に乗せてお届けします。

空飛ぶ「くじら」 ~ 由来編

2011年03月30日 | 日記
前回ご紹介した「くじら館」の中央は吹き抜けになっていて、
二階の天井から吊された巨大な「くじら」の骨格のレプリカが空中を泳いでいます。




これは、1984年に新十津川町で発掘された「くじら」の化石をもとにして、本体の骨格を復元したものです。
全長は約10メートル。現在生存している生物の中では「コククジラ」に一番近いそうで、
「シントツカワクジラ」と命名されました。発見された地層から見て、
この化石は約500万年くらい前のものだそうです。
500万年前というと、人類が類人猿と分化して独自の道を歩み始めた頃とも言われています。




近隣の市町でも同時代の化石が発掘されており、「タキカワカイギュウ」や「ヌマタカイギュウ」、
「フカガワクジラ」などと言われています。
ところで、「カイギュウ」と「クジラ」はどう違うの?何故同じような地域に混在しているの?
などという疑問がわいてきます。知り合いに聞いてみたところ、
「カイギュウ」は今の「ジュゴン」や「マナティ」などと同じ系列であり、比較的浅い海に生息していたもの、
これに比べて「クジラ」類はもっと深い海に生息していたのだそうです。
もしかすると、このクジラは遠い海からこの地まで流れてきたのかもしれません。
あるいは、今現れている地表は、かつてそれぞれ深度が違う海底の地層だったのかもしれませんね。
でも、これはあくまで推測なので、真偽の程は地域の地質等に詳しい専門家の方に。

館内には、「くじらグッズ」の販売コーナーがありました。




こんな素敵なものを見つけましたよ。くじらの「ぐい呑み」です。
100cc入る手頃な大きさで、一つ500円と値段も手頃。
ちょっと歪んだ器の形・色合いともになかなか良い感じです。
手前に見える箸置き(100円)もかわいいですね。さっそくゲットしました。
これらは地元の陶芸工房「陶房 大谷」のもの。天然わら灰の釉薬で焼き上げています。
この「くじらシリーズ」には他に、マグ、湯飲み、コーヒー碗皿、飯椀なども。




新十津川町には日本酒の蔵元「金滴酒造」があります。
地元で穫れる酒米をピンネシリ山系に源を発する清冽な伏流水で仕込み、
芳醇でまろやかなお酒を造っています。
物産館には「金滴酒造」コーナーもあって、たくさんの種類のお酒が販売されています。
くじらのぐい呑みと金滴のお酒、「地の器(うつわ)に地の酒」、味わいもひときわなのは言うまでもありません。




太古の海を悠々と泳いでいたであろう「くじら」に思いを馳せると、
気が遠くなるほど長い長い地球の歴史の中で、
人間の一生などはほんの一瞬、コンマ以下にもならない時間なのだなぁと感じてしまいます。
でも私たちは、遠い未来にもこの時代に思いを馳せてくれる人々がいることを信じて、
与えられたこの時間を大切にしながら精一杯に生きていくことにしましょう。


新十津川物産館
新十津川町字中央5番地1
TEL 0125-76-3141
10:00~17:30(11~2月10:00~16:00)
年末年始休
http://www.town.shintotsukawa.lg.jp/03_sangyo/syoukoukankou/tiikisinko/tiikisinnkou_2.jsp

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