太田康介さんという、報道カメラマンがいる。
太田さんの“うちのとらまる”というブログと出会ったのは、
どういうことからだったのかもう思い出すこともできない。
彼は猫好きが高じて、すべての猫が穏やかに暮らすことを望み、
昨年3月末からは、福島第一原発の事故で飼い主と離れ離れになった動物たちの救援にあたっている。
その太田さんが出版された
「のこされた動物たち」と「待ち続ける動物たち」は、私のブログでも紹介させてもらった。
太田さんが福島に向かう一因になった理由が、「ゴン太ごめんね、もう大丈夫だよ!」に出てくる。
当時の、すべての混乱ぶりも伝わってくる。
この本があるのは以前から知っていたが、どうも手が出なかった。
奇をてらったものではないかという思いがあった。
それと言うのも、代表になっていたのが山路徹さんで・・・
山路徹さんというのは、あの山路徹さんだ。 どちらかと言うと“醜聞”で名前をはせてしまった。
だが、読んでみて少しうがった見方だったかもしれないと感じた。
人にはそれぞれ持っている役割があって、山路さんには山路さんのものがある。
こと福島の動物に関しては、彼がそこにいてくれてよかったと言える人ではないだろうか。
まあ、はちゃめちゃな人なんだろう。
その人が政府の出した30キロ圏内退避指示に逆らって、昨年3月に30キロ圏内に入り、
中で何が起っているか、その目で見て、肌で感じたことをツイッターでつぶやいていた。
そのひとつが、
<犬がいます。置き去りになっています>
<かわいそうですが、私にはなにもできません・・・・・・>
そこから、動物救援のボランティア活動が活発に動き始めた。
―人間が大変な時にペットのことでもないだろう!
―いずれは食用になる牛や豚だろうが・・・!
ボランティアらに投げつけられた非難は枚挙にいとまがなかったようだ。
なんにせよその立場立場で考え方が違うのはやむを得ない。
だが、いろいろな考え方、感じ方があるのだということを認めて進まないと、
世の中、争い事ばかりになってしまう。
領土問題でトラブル続きの中国や韓国の報道を見聞きすることが増え、
日本のマスコミにも聞きたくなる。 これがかの国の総意なのですか? と。
ゴン太の今を「カイヌシと三匹の鈴」というブログで知ることができる。
ボランティアさんたちの努力と愛情で、ゴン太の傷は治った。
置き去りにしたくてしたわけではない飼い主さんとも、再会している。
でも、事情が許さず一緒に暮らすことはできていない。
日本という国家は、何を目指して前進してきたのだろう。
ゴン太が、明日の私でないといえるのだろうか?
ゴン太が、未来のわが子たちでないと、日本の国は言ってくれるだろうか?
この本は、本来であれば新聞が担うべきことを、肩代わりしたものと感じている。
大事に至ったとき、日本の報道機関はどうなのか・・・そんなことも感じさせられた一冊。
もし、本屋で見かけたら、一度手に取ってほしい。
長くなったが最後に、
「読書メーター」という自分の読書量を管理してくれるサイトを見つけた。
このブログに“本”のカテゴリーを作ったのは、
忘れっぽくなって、一度読んだ本をまた手に取ってしまうことが増えたせいだった。
備忘録代わりというのが正直なところで、
そのために片っ端からブログに取り上げようとして大変だった。
そういう私には 「読書メーター」 最適で、読んだ本を読んだ先からちょいちょいと登録していける。
余計な機能も付随してくるが、無視することに決めた。
こちらでは本を取り上げる機会が少なくなったが、軽い本をまた読み散らかしていると思っていただきたい。