
WBCの開幕が近づき、テレビはスポーツニュースや特番で盛り上がっている。
先日見た特番で、鈴木誠也選手(広島カープ→シカゴ・カブス 故障で代表辞退)のエピソードとして、2022年に日本人で初めて「フィールド・オブ・ドリームス・ゲーム」に4番ライトでスタメン出場したことを伝えていた。
フィールド・オブ・ドリームス球場? 知らなかった・・・
調べてみると、映画フィールド・オブ・ドリームスの舞台になったアイオワ州ダイアーズビルの撮影地近くに、2021年MLBが新たな球場を建設していた。(撮影された球場は規格外で公式戦不可)
スコアボードもクラシカルな雰囲気である。
レッズ、カブス両軍とも復刻ユニフォームで、トウモロコシ畑から登場するという粋な演出をしていた。
(ちなみにその時の鈴木選手の戦績は、第1打席先制タイムリー2塁打を含め、3打数1安打1打点、2四球の活躍。カブスが4−2で勝利とのこと。)
という訳で、フィールド・オブ・ドリームス(1989年米)をAmazon プライム・ビデオで久しぶりに観た。
これはいわゆるファンタジー映画である。

レイ(ケビン・コスナー)は、妻アニー(エイミー・マディガン)の故郷アイオワ州の田舎町で農場を営んでいる。
3歳の時に母親を亡くし、父親に育てられた。
父のジョンは独身時代に1〜2年マイナーリーグの選手だったことがあり、シカゴに住んでホワイト・ソックスの大ファンだった。
レイに野球を教えていたが、思春期になるとレイは反発して家出。
一度も帰ることなく、アニーと結婚した年に父が亡くなっている。

ある日の夕暮れ、トウモロコシ畑で不思議な声が聴こえてくる。
「それを作れば、彼はやってくる。」
それって何? 彼って誰?
その声は何度も聞こえ、トウモロコシ畑に野球場の幻が見え、シューレス・ジョー(レイ・リオッタ)の顔が浮かぶ。
アニーの理解で収穫前のトウモロコシ畑の一部を潰し、野球場を作る。
トウモロコシの収益は半減し、貯金は底を尽き、土地売却の危機である。
ある夜球場に人影があり、行ってみるとジョー・ジャクソンがいた。
かつて八百長試合をしたとして球界から永久追放され、失意のまま他界している。
現役時に一度スパイクが合わず裸足でプレーしたことがあり、シューレス・ジョーの愛称で呼ばれていた。
死者の彼とノックをし、ピッチングをする。
「今度仲間と8人で来てもいいかい?」
8人とは永久追放されたホワイト・ソックスのメンバーの数である。
これ以上はネタバレになるが、新たな声が聴こえ、いくつもの奇跡が起こっていく。
シューレス・ジョーを演じたレイ・リオッタは、「ハンニバル(2001年)」で強烈な役柄だった。
「懐かしの映画」だが、さらに懐かしいバート・ランカスターも出演していた。
この映画を見ると、つくづくアメリカ国民の野球への思いを痛感する。
しかし思いの深さは日本だって負けていない。
