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きのうを思い、きょうを実感し、あすに想いを馳せよう。
若年性或いは老人性痴呆症にならない為にもね?

songzhaoのボケ封じ数学講座第34講

2007年05月18日 | Weblog
 人類にとって、文明発展の原動力というのは、最小の労力で最大の実を上げるようとする人の性(さが)にあるのだと思います。下品な言葉で言えば、如何にして横着して実を取ろうとすることに尽きるということなのでしょう。某消費者金融などが『円ショップ』などと言っていたのを思うと、貸す側の都合を表す言葉として、「言い得て妙なり」と感心したものです。

 それでは、第32講の続きを致しましましょう。今日のメインテーマは、平均値を求める『簡便法』を復習することにしたいと思います。

 例えば、47,56,80という数があるとき、これらの数の平均値を求める場合に、まず仮の平均値を想定し、仮の平均値からの偏差を計算することによって実際の平均値を求めようというわけです。

 まあ、この3個の数の平均が60ぐらいと見当をつけ、47,56,80を(60-13),(60-4),(60+20)というように置き換えます。次に各々の数を足し合わせて、3*60/3+(-13-4+20)/3=60+1=61と計算する方法を『簡便法』といいます。

 この方法は、桁数の大きい数を取り扱うとき、計算が煩雑になるので、少しでも楽をして、しかも計算間違いを減らそうとした先人の知恵なのです。

 一般的に、仮想平均値Xからのn箇の偏差p1,p2,p3,・・・pnがある場合の計算方法として、平均値=X+(p1+p2+p3+・・・pn)/nとなります。(ただし、第32講の分布表では各々の階級に属する生徒の得点を階級の中心値で代表して計算しています)

 それでは、第32講の『ある学級の算数のテスト結果の度数分布表』をもう一度見ていただくと同時に、更に発展的な事項を書き加えたいと思います。

 階級   度数  代表値-60  偏差*度数
~10     1    -55      -55
~20     1    -45      -45
~30     2    -35      -70
~40     4    -25     -100
~50     5    -15      -75
~60    10     -5      -50
~70     8     +5      +40
~80     4    +15      +60
~90     4    +25     +100
~100    1    +35      +35
 合計   40名        (-395+235)/40=-160/40=-4ということになって、
 平均点:60-4=56点・・・という計算が成り立ちます。(ここにおいて、代表値-60=偏差という意味です)

 先人のこうした知恵は、子孫たる我々がしっかりと受け継ぎ子供たちに人類の遺産として引き渡していかなければならないと思います。

 復習の意を込めて、用語の解説

 偏差(へんさ):一定の標準となる数値・位置・方向などから、かたよりずれること。その度合。また平均値からのかたより。(広辞苑より)

 今後の予習の意を込めて、用語の解説

 偏差値(へんさち):学力などの検査結果が集団の平均からどの程度ずれているかを示す数値。点数の分布が正規分布に従うとみて、偏差を標準偏差で割って10倍し、50を加算した数値。(広辞苑より)