昨日今日明日

きのうを思い、きょうを実感し、あすに想いを馳せよう。
若年性或いは老人性痴呆症にならない為にもね?

SASへの認識を深めよう

2005年12月13日 | Weblog
 一般の方々は「SAS」などと聞きなれない「言葉」であろうが、旅客運送、航空輸送、貨物運送業界等においては、最近とみに注目されている「症状」である。

 これは、Sleep Apnea Syndorome の略語であって、「睡眠時無呼吸症候群」と訳されている病理的な一症状のことである。
 
 これは、主に運送業界において、漫然運転や居眠り運転の原因として、注目を浴びている症候群の副産物なのである。

 「SAS」とは、医学的には、睡眠中に呼吸が10秒以上停止する状態が30回以上生じるか、或いは、睡眠中に呼吸が止まった状況が断続的繰り返され、十分な睡眠がとれず、日中に強い眠気を感じたり、集中力に欠ける状態になり、特に自動車を安全に運転する必要条件を欠くことは勿論であるが、自分自身の健康にとっても、見逃すことのできない重大な問題である。

 人の睡眠中の正常な呼吸のあり方というのは、口蓋垂と扁桃腺が口側に張り付いて、気道を塞がない状況をいうのであるが、睡眠時無呼吸状態の上気道は、舌であるとか、口蓋垂と扁桃腺が気道側に垂れてしまって呼吸活動を妨げてしまうことから起こる。

 当然、私は医者ではないので、信用されては困るのであるが、「舌べら」というのは人間の言語活動に直接関わる随意筋であり、意志が働かない時は、当然だらける。従って睡眠時には、重力で気道を塞ぐように下に垂れるというのは理解できる。
 しかし、口蓋垂と扁桃腺も随意筋であるのだろうか?生物の生命維持の原則に立てば、不随意筋でなければと思うのだが?

 いずれにしても、随意筋と不随意筋とがバランスを欠くところにこの症候群は発症するのであろう。

 睡眠時無呼吸症候群を疑うべき症状とは、「睡眠中に呼吸が止まる」「大きないびきをかく」「熟睡感が無い」「日中、強い眠気を感じる」「集中力が低下する」「朝、頭痛がする」「寝ている間頻繁に目が覚める」「肥満」「不眠症」などである。
 
 このような自覚症状があれば、医師の診察を受けることを勧めるものであるが、治療を受けずに放置すれば、「狭心症」「心筋梗塞」「脳梗塞」「高脂血症」「動脈硬化」「不整脈」などの原因になるというのだから、軽く考えるべきではない。

 最近、駅のホームで、電車が所定の位置で止まらなかったとか、所定の駅で停車しないで通り過ぎてしまったとか、あるいは自動車の運転手にあっては、分けも分らず前方の車両に追突してしまったとかいう不可解な事故が散見されるのであるが、この「SAS」という観点から検証し直せば、かなり該当するものもあるのではないかと言われている。

 私とて、例外ではないのであるが、普段自動車を運転していて、急激な睡魔に襲われるような経験をしたら、『治る病気であるから』まずその道の「専門医」の門を叩いてみる勇気を持とうではありませんか。大事の前の小事である。(自動車事故対策機構資料を参考した)