ひやひやものの勝利

仙臺での樂天との試合は、序盤での樂勝ムードが最後はひやひやものの展開となつた。

先發はタイガースがブラウン、樂天は岩隈。

初囘の２アウトからタイガースは、３番シーツから６番檜山まで連續ヒットで、岩隈から３點をもぎ取つた。
４囘にも２點を追加し、０－５とリードを擴げた。
けふは樂勝だ。

その後、４囘と５囘にブラウンが１點づつ得點され、２－５。
タイガースは６囘から江草を投入し、江草は期待通りの仕事をしてくれた。
その間、７囘には２點追加。
８囘にも金本の１３號ソロなどで２點追加し、２－９。

この時點でけふの試合は決つた。
と、誰もがさう思つた筈だ。

８囘からタイガースのピッチャーは能見。
先發から中繼ぎに變はつて初めての登板だ。
ところが・・・
なんとひとつのアウトも取れないうちに３點を獻上してしまふ。
これで５－９。
たまらずタイガースはここで藤川を投入。
この點差でも藤川を出さなくてはならないといふのが哀しい。

４點差あるとはいへ、流れが樂天に傾いてゐるのは誰の目にも明らかだ。
９囘裏、タイガースは必勝を期して、久保田を投入。
それでも１點取られて、６－９。
しかも１アウトで２壘３壘。
一發が出れば同點といふシチュエーション。
じつに心臟に良くない。

ここに至つて、久保田も開きなをつたのだらう。
そこからは氣合ひの入つた投球で、なんとか後續を押さへて、ゲームセット。

タイガースの快勝でストレス解消の筈が、最後はストレスの溜まる展開となつてしまつた。

それにしても、能見は重傷だ。
このままでは、中繼ぎも任せられない。
技術的な問題なのか、それとも精神的な問題なのか。
しろーとの私には判らないが、なんとか立直つて貰ひたい。
タイガースの選手の中では、顏でも勝負できる貴重な存在なのだから・・・。

へ、野球は顏でするもんと違ふわい！
な、藤川？