ダイニング・ウィズ・ワイン そむりえ亭

料理にワインを
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 樋口誠

私の周りのワインの変遷(あくまで私の周りの話)

2012年02月07日 03時51分46秒 | ワインの事

以前、小学校の頃に赤玉ポートワインをカルピスに入れて飲んだ、と書きました。

その頃は少なくても私の周りに「ワインを飲んでいる家庭」など記憶にありませんでした。

ワインと言えば赤玉しか浮かばない時代です。

時は過ぎホテル学校で改めてワインを目にします。

学園祭で先輩がやっていた模擬店で見た国産ワインです。

ホテルオークラのソムリエが授業にやってきたりしましたから若干のワインへの道が開いたかもしれませんが、私のとっては「他人事」です。国産ワインしか記憶にありませんね。

それからホテルに入りますが、そこは北海道発の資本のホテルですから「十勝ワイン」がメインです。他にフランスのワインがありますがメドックなど地区名のみでシャトー表記にないものとかピースポーター、マテウスロゼなど比較的にリーズナブルなワインが基本です。当時としては高かったのかな、と思いますが万単位のワインはホテル価格でも見たことがありませんでした。

この頃、試飲会と言うものを経験します。「スッゴイナア!!」と思ったものです。

しかし、売れるのは甘めのものが多かったですね。

同時にソムリエコンクールなるものが世にあることも知ります。

問題集を見ても全く判りません。「なんじゃこりゃ?」です。

そののちに前職のホテルに入りますが、バブルに突入していましたから最初の配属先のコーヒーショップでも飛ぶようにワインが売れました。

当時としては珍しく何種かのグラスワインを開けました。クリスマスはシャンパンオンパレード。

「へええ、ワインは凄い武器やなあ・・・」です。

国産よりフランス、ドイツ、少しのカリフォルニアのラインアップでした。

それからソムリエとしてフレンチで働くことになりますが、この頃からはフランスがめっぽう目立ってきます。しかし天邪鬼な私はカリフォルニアに力を入れる事になります。

「グラスワインを沢山開ける」と決めたのは、まさにこの頃です。

しかしステータスはボルドーです。いやあ、驚くほどグランヴァンを開けました。

今、中国でのボルドー熱が報じられていますが、規模こそ違えど同じだな、と思います。

甘口も売れましたが徐々に辛口志向に移っていったのはバブルの後半からでしょうか?

同時に私も以前無理だと思ったコンクールで賞を頂き始めます。産地訪問のご褒美を頂くと気持ちが高まっていったのは間違いありません。

バブルの後、グラスワインを沢山売っていた私のレストランは急激な打撃は無かったと思います。各ホテルの数値がそれを物語っていたと思います。

ではホテル外はというとソムリエの要るレストランは大阪には数えるほどです。当然ワインはあまり飲まれていません。この頃、同業向けのセミナーなども請け負っておりましたが、街のレストランの方々の多くは「ワインって何?」って方が目立ったのは言うまでもありません。

私が業界に入ったころのワイン消費は成人一人当たりの年間消費量が数百ミリだったのが98年頃に2リットル超に伸びますが、その後も変わりはありません。

落ち着きを見せたのですね。

私がそむりえ亭を開業する頃にはボルドー熱よりブルゴーニュに移っていました。

そして今はシャンパーニュ。から国産。

グラスでワインを売る店も増えました。

                                                                        

私の周りの事ですので全体図は見えません。

また私が同じ職場を通したのではありませんので、職場差もあるでしょう。

しかし、流行廃れはあるんですね。

そむりえ亭は私の昔からの方法「沢山グラスワイン」です。よって偏ったワインばかりが売れるという事あありません。

良いのか悪いのか、流行に鈍感になっているかも知れません。

ワインの面白さはバラエティが豊かな事、です。

流行廃れに流されないように、しかし新しい傾向に取り残されないように頑張らないといけません。

さてさて今日は定休日です。明日が朝から東京での会議です。

用事を済ませて、早めに休める様に段取りしたいと思います。