『よしなしごと』

※不定期公開

運の良い方、縁の有る方、勘が働く方。

ご覧戴けたら幸いです。

心の宝箱【人間というのは何もないときには助け合うが、問題が起きると途端に退いてゆく生き物】

2024-09-15 18:26:53 | 心の宝箱


『経済特区自由村』黒野伸一06(徳間文庫2015/6/15)

 

会社をリストラされ、大手外食産業ヘルシー☆ファストニッポンが提携するブロイラー養鶏場のオーナーとなった鈴木明男だが、その実態は隷属下請け業者だった。設備投資のための借金、劣悪な環境、鶏を工業製品のように扱う現場。キレた明男はファストニッポンの営業マンに暴力を振るってしまう。殺人の罪に怯え、逃亡した先に辿り着いたのは人里離れた山奥の神山田村。親切な老婆のこなたに助けられ、村で暮らし始めた明男はFEE=フリーエコノミー&エコロジーなる団体の存在を知る。脱マネーと自給自足を提唱するコミュニティで、若きカリスマ民人が率いるFEEの目的はどこにあるのか。
民人の正体とは? 格闘家の岬洋子、村の知恵袋こなたばあちゃん、不登校高校生の雅と彼女の義母、民人の取り巻き達、
各々の理由で神山田村に移住してきた人々。個性豊かな登場人物たちのエコをめぐる群像劇でもある。


・人間というのは何もないときには助け合うが、
何か問題が起きると途端に退いてゆく生き物 P79




心の宝箱【人に感謝されることのありがたみ。笑顔でお礼を言われると、次はもっと役に立ちたいと考える】

2024-09-15 12:52:56 | 心の宝箱


『脱・限界集落株式会社』黒野伸一05(小学館文庫2016/11/13)

 

限界集落と言われ、過疎・高齢化のため社会的な共同生活の維持が困難だった止村は東京からきた多岐川優の活躍で、なんとか窮地を脱した。あれから四年。麓にはショッピングモールができるなど、止村は活況が続いている。そこへ麓の町の駅前開発計画が持ち上がり、世論は二分される。その争いは多岐川家の夫婦間にもおよび、美穂は家を飛び出し、住民投票での劣勢が予想される側である駅前商店街保存に奮闘する。現状維持か、都市開発なのか。
日本のそこかしこで直面している問題に切り込む地域活性エンタテインメントの続編。


・求められる快感というか。
頼りにされる優越感というか。
感謝される満足感というか P150

・他人の揚げ足を取ることしか頭になくて P184

・失敗しないためには、多くを求めなければいい。
小さくまとまれば、それだけリスクは少なくて済む(略)
ライフスタイルそのものは、人生の目標ではない。
そこそこ意義のある、こぢんまりとした生き方を身に付けたところで、
これから先の長い人生、いずれ退屈する時が来る P247

・人に感謝されることのありがたみ(略)
笑顔でお礼を言われると、次はもっと役に立ちたいと考える P312

・人の言うことを途中で遮り、
早口でまくし立てるのは、
ボロが出るのを恐れているためだ P345

・殴るのを自制するのは、殴っちまうより勇気のいることだ。
殴られたら、痩せガマンせずに、痛さをアピールすれば、相手にダメージを与えることだってできる。
相手は生涯罪悪感を背負うからな P432



心の宝箱【バカにもいろいろあり、種類とその等級は様々】

2024-09-15 09:06:33 | 心の宝箱


『おれたちを齧るな!わしらは怪しい雑魚釣り隊⑦』椎名誠02(小学館2019/12/3)

あやしい探検隊結成から50年以上の月日が経ち、その後継団体として発足した雑魚釣り隊は週刊誌連載を主戦場に毎月日本のどこかの海や川、沼や水溜りに集まって、竿を出しては雄叫びをあげている。本書では誰が一番うまい魚を釣ってくるのかを競う『第1回雑魚釣りステークス』を皮切りに、冬の館山ではカワハギの肝をたくさん食べる痛風肝試しに挑戦。夏の東京湾では干潟でアナジャコたちと手にハサミ握り合う激闘を繰り広げ、クライマックスは能登半島の超特級キャンプ場で繰り広げられた酒と幻の高級魚にまみれた大宴会。その一部始終は地元テレビ局の特番で放映。
依然、進化も成長もしないおバカな男たちの行状記シリーズ第7弾。


・バカにもいろいろあり(略)
「大バカ、小バカ、部分バカ、バカタレ、オバカサン、イヤンバカン、ウッフンバカン」など
種類とその等級は様々だ P206



心の宝箱【努力が報われる奴はただ運がよかっただけなんだ】

2024-09-15 04:24:53 | 心の宝箱


『タスキメシ 箱根』額賀澪03(小学館2019/11/11)

大学卒業後、管理栄養士として病院で働いていた早馬は紫峰大学駅伝部のコーチアシスタント兼栄養管理として、部員たちと箱根駅伝初出場を目指すことになる。高校時代、大学時代も陸上の名門校で長距離走選手として期待されたものの怪我から思うような成績を残せなかった早馬。嫉妬、諦め、苦い思い。数々の挫折を経験した者として部員たちに寄り添い、食の大切さ、目標達成の楽しさを伝えようと奮闘する早馬。そんな彼のことを4年生キャプテンの仙波千早は最初は受け入れられずにいた。一度も箱根駅伝に出場できない弱小チーム。でも、だからこそ、「箱根駅伝に出たい」「箱根を走らせてやりたい」。徐々に一つになっていく千早たち部員の熱い願い。早馬が見つけた新たな夢は果たして叶うのか。エリートではない若者達の夢、苦悩、様々な思いが、箱根路を駆け抜ける。


・走る意味を持たないと、強くなれない P99

・綺麗事だけど、綺麗事が、一番人を動かす P124

・大事なことって、意外と言葉にできないことが多いから。
無理に言葉にしなくていいんだよ P124

・自分の言葉なのに、自分に向けられたら、胸に刺さった(略)
自分が言われたら痛みを感じる言葉を、人にぶつけたんだ P199

・努力は報われるものだと思っていた。
報われないってことは、まだ努力が足りないんだって。でも(略)
努力が報われる奴はただ運がよかっただけなんだって気づいた。
努力は大体、報われないんだ P209