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彼女が消えた浜辺/ABOUT ELLY

2010-09-24 00:34:44 | 劇場&試写★5

 

 

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2009年のベルリン国際映画祭で最優秀監督賞受賞作。

作品賞受賞かとまた勘違い。
監督賞受賞というだけでも凄いとは思うけど
賞を受賞となると余計気になるのが人の心理というものでー。
その他の映画祭などでも受賞で話題になった作品らしい。

イラン映画と聞いてまっさきに思いつくのが97年公開、マジッド・マジディ監督の「運動靴と赤い金魚」
これが好きで「少女の髪どめ」ほかこの監督作品全部観たのが
イラン映画に触れたきっかけだったんだけど、
イラン映画として有名なのはやっぱりアッバス・キアロスタミ監督作。
「友だちのうちはどこ?」「桜桃の味」は、観てなくてもタイトルだけは知ってるという人も多いかな。

とにかく久しぶりにイラン映画を観たのでした。
監督はアスガー・ファルハディ。

予備知識なく観たんだけど、「濃密な心理サスペンス」などと謳われてたものだから
オープニングから釘付けになるような面白い展開のミステリー?
サスペンス?をちょっと期待しちゃってた。
最近だとかなり引き込まれた「瞳の奥の秘密」のように。

日本ではミステリーが好まれるというのもあって、邦題「彼女が消えた浜辺」なんてうまいのつけてるけど
もともと原題は「ABOUT ELLY」で「エリのこと」って話だから、
結局友達としてバカンスに行く仲でも、彼女の何を知ってるの?みたいなストーリーでもある。


始まって30分、子ども含めた男女の一行が車で連休を使った旅行。
浜辺目の前に家を借りて、そこでの会話やジェスチャーゲームなどが映し出される。
じっくり話が進むのはいいけど、早々に展開が起こらないのは
引き込み弱いしでわたしには正直少々退屈。


女性は皆頭に布を巻き、眉はまっすぐでしっかりと濃く、さらに美しい顔立ち。
で、誰がどの妻で彼女だか正直混乱しちゃう。



カスピ海沿岸の避暑地にバカンスに来た8人の男女。
その中の一人の女性が
突如失踪してしまうことから、彼女が失踪した原因と行方を巡って遺された
7人が不安や焦燥にかられ次第に本音やエゴをむきだしにしていく様を描いた
イラン発ヒューマンミステリー。



ミステリーのようでそうではない忽然と消えた女性、取り残された仲間。
その時、それぞれがとる行動、明らかになる真実。




あ、でもとる行動、明らかになる真実って言ったってそんなに大袈裟なものじゃなく
(人が行方不明になってるのだからもちろん実際には大袈裟だけど)
行方不明になったことで、彼女には婚約者が別にいたとか、それを隠してた友人がいたり、
実は誰も彼女のこと自体よく知らなかったり。

行方不明になり、海で死んだとされた女性、エリのバッグがヴィトンのマルチカラーだったり
イランの方ではあまりブランドのバッグを持つ人はいないことから
裕福な人だったんだろうとかその程度のことはわたしでもわかる。
海辺なのに、水着にはならないことが当たり前の風習。

ひとつの嘘から秘密が生まれ、責任転嫁、さらには知ってしまった嘘を隠そうと
余計につじつまが合わなくなりまた別の言い訳がうまれ、、、、
せっかくのバカンスが暗転する。

3年間エリを愛し続けた婚約者としては、彼女が皆に自分という婚約者がいることをちゃんと言っていたかというこの1点だけが重要。
もしも知っていたとすれば、知っていて他の男を紹介したということで責めるもしくは
復讐かもしれないし、
本当にエリが言わなかったというのであれば、自分の完全な一方通行だったというショックも大きい。

それだけ男女の恋愛に関しても日本よりも厳しく重い。

結局、見つかった死体がエリなのか、女性の姿は映し出されるものの、定かではないという
謎のまま、真相はやぶの中。


謎ときではない。舞台にもなりそうな密室劇でした~。
抑揚がついて盛り上がるようなストーリーではなく、ゆっくり進む構成が少し長くも感じたし、ちょっと物足りなかった。 

余韻が残る作品ではあるけど、面白いというのとはちょっと違うかなぁ。
様々な映画祭で評価されているので、気になる方は是非


5/10(59点)



公式サイト
ABOUT ELLY   イラン  2009年   116min
9月11日より公開中~




一喜一憂したくないけどやっぱり気になる
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15 Comments

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (KLY)
2010-09-24 00:58:06
予備知識一切なしで観たんで、途中から急にサスペンス調に変わってちょっと驚いちゃった。(笑)子供が溺れるまでは、現代イランの中流階級を良く表したシーンでしたが確かにちょっと長かったかも。でも未だ残るイスラムの社会規範に縛られる彼らと、いわゆる西側の世界の私たちと全く変わらない彼らの2面性がドキュメンタリーのようなタッチで描かれているのに実にリアリティを感じました。
それって映画そのものにも言える感じで、作り手が若くなってるというのもあるのかなぁ。
イスラムの世界 (ノルウェーまだ~む)
2010-09-24 03:56:53
migちゃん、そうだよねー
イギリスにもイスラムの人たちがたくさんいて、食べ物もハラルフードのお店で買わなきゃいけなかったり、宗教上の約束がいっぱいあるんだよね。
日本人のように宗教観があまりないと考えも及ばないようないろいろな事があるみたい。
よその国に行ったら、別にいいじゃんってならないところが凄いよ。
イラン映画も観てみたい (シン)
2010-09-24 10:41:14
migさん、こんにちは。「彼女が消えた浜辺」、ハラハラドキドキのサスペンス、というわけではないんですね。
「瞳の奥の秘密」がすごく引き込まれるサスペンスだったので、同じようなサスペンスミステリーだと、観た後の印象も強くていいんでしょうが、人間心理のミステリーにも興味があるので、時間があれば観たいですね。
最近、妹がスペインへ行ってきて、外国と日本の時間や労働に対する感覚もすごく違うということを聞いて、世界の様々な文化や考え方にも興味を持ちつつあります。
そんなことからこれから、いろいろな国の映画にも触れていくことがすごく楽しみです。
こんばんは (ノラネコ)
2010-09-24 21:41:26
「運動靴と赤い金魚」は良い映画でしたね。
あの映画のヒットで、イラン映画=子供というイメージの人も多いのでは。
この作品は、うって変わって冷酷な心理劇ですが、他人の心がどんどん暴かれて行くのってやはり面白いのですよね。
人を知るのって難しい、そんな印象の作品でした。
KLYさん☆ (mig)
2010-09-25 09:49:59
おはよです♪

私は逆でサスペンスだろうなってタイトルで思ってしまい、もっと濃厚なのを期待しちゃった、
でもKLYさん高評価!
そうか、これは新鋭監督だっていうし、若い人なのかな。
比べるのもヘンだけど同じミステリー最近のものだと
やっぱり「瞳の中の秘密」が好きです☆
☆まだーむ (mig)
2010-09-25 09:52:06
おはよう☆

うんうん、まだーむもロンドンで目の当たりにしてるよね、
あ、ミステリーってKLYさんあてのコメに今書いたけど
ミステリーではないかなって感じも。
まだーむとコメディ観るのも楽しみ♪
☆シンさん (mig)
2010-09-25 09:55:18
おはようございます☆
そうなんですね、妹さんスペインですか~。
スペイン行った事がないのでいつか行きたいです。

うーん、そうですね、全般に評価されてるし楽しめたという声も多いのでオススメですけど
私自身はそんなにピンとこなかったです。(好みじゃない)
「瞳の奥の秘密」の方が断然面白い映画でした☆
あ、年齢層はすごく高くて昼間だったせいかお年寄りの方もすごく多かったです。
映画では知らない国のそういう文化や風習に触れられる事も魅力ですよね。

感想お待ちしてますね♪

☆ノラネコさん (mig)
2010-09-25 09:57:40
おはようございます☆

これ、高評価でしたね。えいさんにもすすめてもらったんですが
わたしはいまひとつ面白さ感じずでした。
作品としては評価するに値するんでしょうけど
惹き込まれ度が弱いというか、、、
もっと展開がないとわたしは退屈です(自分の好みの問題ですね、笑)

「運動靴と赤い金魚」はほんと好きなんです久々にまた観たいな。
Unknown (q  男女七人・・・あぁイスラム)
2010-09-26 16:45:41
はふぅん
向かう先はカスピ海沿岸のリゾート地
(∇〃)。o〇○ポワァーン♪
あぁ。お願い私をバカンスに連れてって(。-_-。)ポッ
最初から♪火サスな世界は無い・・・

一人の女性の失踪で、彼女を取り巻く人間の心理の変化
切羽詰まったときの人間の本質
セピデーの「小さな嘘」から
険しい表情へと変わる全員
そうよ!!!!これぞ イスラム教徒の反応なのよ!!!!なんて思ったわ
男女の交際は姻戚以外はご法度。一族の恥として糾弾。末代まで祟られる

こういうディープな作品が大ヒットするイランってなんか面白い

イランって国の検閲が厳しくて
政府や宗教を批判したテーマを撮ると
即刻||Φ|(・|・|)|Φ|| ガシャン!!逮捕
だから児童映画というオブラートでかわいーく包んで公開するのよね。
「りんご」や「友だちのうちはど こ?」「柳と風」「運動靴と赤い金魚」児童映画の傑作が多いのも納得。
それと
ゴルシフテェ・ファラニー
ハリウッド映画に出演した事で睨まれ
パリでの亡命生活を・・・って国外追放しちゃうイランってすげぇ

☆qさん (mig)
2010-09-27 09:17:49
うーん、そうねぇ。お国柄がよく分かる作品。
でも日本ではミステリーとして宣伝しすぎだと思うの、
確かに人間ドラマにその要素はあるものの、
邦題なんて、もっと不思議なミステリーとか想像しちゃうのに
行方不明になったきり、死体あがってもうやむや。

ともあれ、色々な国の風習などかいま観られるのも映画の楽しみのひとつだよね。