一万夜を越えて
小野田寛郎(ひろお)という名前を聞いて ぴんと来るのは、ある世代より上の人でしょうか。
第2次大戦中、フィリピン・ルバング島に出征し、終戦後も30年近く島内で潜伏した旧日本軍兵士です。
彼の1万日を超える極限の生活を、フランスの監督が、日本人俳優を起用して見事に描いてます。
1974年、鈴木紀夫さんが、小野田さんに会うことに成功します…
その時の小野田さんとの会話で、鈴木さんは「自分の夢は、野生のパンダ、小野田さん、雪男に会うことですが、小野田さんに会う夢が叶いました」と述べてます。
鈴木さんが探した元上官の帰還命令で、日本に帰国することにした小野田さんが、ルバング島を去る場面で映画は終わりますが、
その後、鈴木さんは、雪男を発見するため訪れたヒマラヤ・ダウラギリで遭難死してしまいました。
運命や人生を深く考えさせられる、素晴らしい映画でした。