著者 蓮見 圭一
両親を知らずして北海道岩内町で育った真壁純は14歳のときに、
転校してきた美しく聡明な明子に恋をする。
クリスマス・イブの吹雪く日、初めて二人はデートをするが、
純はその後 静岡へと転校することが決まっていた。
それから6年、ようやく二人は再会したが、
明子は変わり果てた姿になっていた……。
切ない恋とほろ苦い青春、そしてその後の人生の奇跡を描いた小説。
>きみがいまどこにいようと、そこが出口だ。(インドの宗教家カビールの言葉)
>世界は広く、知るべきことは無限に近い。
言語ひとつとっても、あなたはほとんど何も知らない。ゼロに等しい。
その程度で浮かれている人間をスワヒリ語で「mjinga」、日本語で「馬鹿」という。
(国立大学の医学部に入学したばかりの学生に向けた老教授の言葉)
>悲しめるもののために
みどりかがやく
くるしみ生きむとするもののために
ああ みどりは輝く (室生犀星の詩『五月』)
>友人とは全世界が去ってしまった時にやってきてくれる人
(明子が好きだった言葉)
>目の前に広がる人生にもっと興味を持ちなさい。
人々、物事、文学、音楽……この世界は豊かで、胸を躍らせる宝物、
美しい魂の持ち主、興味深い人々に満ちている。
自分のことは、忘れなさい。(ヘンリー・ミラー)
悲しいお話でしたが、印象に残る言葉が沢山ありました。