著者 吉田 修一
『横道世之介』シリーズの第3作で完結編。
38歳になり、フリーのカメラマンとして暮らしている世之介の日常がつづられてます。
>私が誰かに生まれ変わる。そしたらその生まれ変わった誰かは、きっと今、
私が愛している人たちの生まれ変わりの人たちにとても愛されるんだと思います。
(ブータン人のタシさんの言葉)
>何でお前が生まれてきたかって言うとね、前世でお前がいろんな人を大切にしたんだよ。
そのいろんな人たちがまた生まれ変わって、今のお前を大切にしてくれてるんだよ。
……だから、何が言いたいかって言うと、なんで人間が生まれてくるか、それは、ご褒美だよ。
前世でお前がいろんな人にやさしくしてやったご褒美に、今のお前は生まれてきたんです。
(引きこもっている年下の同居人に問われて、タシさんを思い出して答えた世之介の言葉)
>この世で一番カッコいいのはリラックスしてる人ですよ。(世之介の言葉)
>「……俺もいつか死ぬんでしょうね」(世之介の言葉)
「まあ、死ぬでしょうね。……でも、安心なさい。
あなたが死んでも、世の中はそれまでと変わらず動いていきますよ。
二千花ちゃんが亡くなってからもそうだったように。
……でも、もうあなたになら分かるでしょ?同じように見えても、やっぱり少し違う。
二千花ちゃんがそこにいた世界と、最初からいなかった世界ではやっぱり何かが違う。
それがね、一人の人間が生きたってことですよ」(和尚さんの言葉)
最終話となり、ちょっと残念……
でも、世之介さんに出会えて嬉しかったです。