神戸学生手話サークル「それいゆ」

関西の大学手話サークル同士の意見・情報交換や、交流の場となることを目的に活動しています。

「手話にどんなイメージを持っていますか」 ひらひら

2019年05月31日 | コラム

聴者にとっての手話って何だろう Vol.3
「手話にどんなイメージを持っていますか?」


こんにちは、ひらひらです。手話を通していろんな方と交流する中で、気になっていたこと、疑問に思っていたことがあります。


・手話学習者は「聴覚障害」についても学ばないといけないのか
・聴の手話学習者は手話通訳を目指さないといけないのか
・手話=ボランティアというイメージが根強く残っていること
・手話の言語的側面、福祉的側面



それいゆスタッフになる前、通っていた手話サークルの先輩にはこんな疑問を持った方がいました。
「手話は知りたいけど、聴覚障害やその歴史も学ばないといけない?」

あたりまえだと思う方もいるでしょう。
ですが、純粋に「手話」が学びたいけど、聴覚障害や手話の歴史には興味ないという人がいてもおかしくはありませんよね。
もやっとするかもしれません。手話と聴覚障害というのは切っても切り離せないものですし、その知識は手話を深く学ぶ人達には、必要不可欠なものです。そもそも手話は、聴覚障害のある人たちのコミュニケーション手段ですしね。

スタッフとして
「手話も歴史も聴覚障害についても興味ある!」

「とりあえず手話で話せるようになってみたい!」
どちらも受け入れたいなと思い、どちらの知識もある程度身につけるよう心掛けました。
きっかけはいろんなところにあっていいはずです。また、最終的に興味を持たなくてもいいとも思っています。「知りたい」のベクトルと深さは人それぞれです。





「手話学習者は、最終的に手話通訳を目指さないといけない?」
手話通訳に関する問題はいろいろあるとは思います。
・認知されていないこと
・軽視されやすいこと
・人不足
・低賃金


しかし、大学生になってたまたま入った手話サークルで
「手話勉強してるの?えらいね。手話通訳するの?」
なんて言われても困ります。

わたしは手話通訳をしている方をとても尊敬していますし、それがとても高度な技術であることを理解しています。でも今は目指したいとは思っていませんし、手話通訳の技術を習得する予定もありません。

もちろん手話に興味を持っただけだった人が、いろんなことを知るうちに、手話通訳にも興味を持ち、手話通訳を目指すということはあると思いますし、それは素敵なことです。
しかし、すべての手話学習者に「手話通訳を目指す」という目標を設定するというのは避けたいです。




「手話=ボランティアというイメージが根強く残っていること」

 大学手話サークルのなかには、ボランティアサークルだったり、ボランティア活動を主に行っている手話サークルが存在します。それらには、そこに至るまでの過程や目的、活動理念といったものがあるはずです。

 一方で、ボランティア活動をしていない手話サークルがあるのも事実です。彼らにボランティア精神がないという訳ではありません。手話を学んで、聞こえない人と交流する。そういった活動を主に行っています。

少なからず前者を否定してしまう内容になっていることは申し訳なく思います。ただ、否定したいのではなく、ボランティアをしない手話学習者がいることをお伝えしたいです。

色々な勘違いや押し付けの原因になっているのは、手話の言語的側面と福祉的側面を混同しているからだと思います。言語としての手話と、ボランティアや手話通訳の存在、社会福祉、それぞれが尊重されるといいなと思います。





ここまで手話学習者という表現をしてきましたが、わたしは手話を学ぼうと思ったことはありません。1回生の時、初めて手話サークルに参加して先輩たちに、自己紹介の方法と指文字(50音を表すもの)を教えてもらいました。よくある光景ですよね。

また行こうと思ったのは、
「もっと知りたい」
「手話で自分の思っていることを表してみたい」
「この言葉は手話でどう表すんだろう」
「聞こえない人と実際に話してみたい」
そんな欲が芽生えたからです。


わたしは今でも、手話で話すことは好きですが「聞こえない人のためにボランティア活動をしたい」とは思っていません。
ダメですか?



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ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
感想や意見、お待ちしております。


また、「聴者にとっての手話ってなんだろう」このテーマ、最終的には、「ろう者にとっての手話って何だろう」「難聴者、中途失聴者にとっての手話ってなんだろう」等と統合して、「手話って何だろう-きこえ別にみた手話-」という感じにまとめられる気がするんですが、このコラムではこれ以上進めません。

今この場所に書くことはできないのですが、もし興味が尽きなければいつか書くかもしれません。


ではまた、どこかで。



ひらひら

2019年(令和1年)5月31日金曜日
2021年(令和3年)10月16日土曜日 追記・修正




以下の記事も合わせて読んでいただけると嬉しいです。
聴者にとっての手話って何だろう Vol.1
聴者にとっての手話って何だろう Vol.2

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