水

今回のテーマは「脱水」。といっても、ここで言う「脱水」とは、夏などに熱中症に伴って起こる脱水症のことではなく、キネシオロジー的な意味での「脱水」──つまり体に必要な水分が行き渡らず、それによって（必ずしも本人は自覚していないかもしれないが）何らかの不具合が生じている状態──のこと。

キネシオロジーそしてキネシオロジストの一部では、「水」を非常に重視する。例えば教育キネシオロジー(Edu-K)。Edu-Kとして有名なのがブレインジムだが、ブレインジムのインストラクター資格を持っているキネシオロジストは、ブレインジム以外のキネシオロジーのセッションやセミナーでも水を摂らせる人が多いようだ。

私は以前、フォトリーディングのセミナーを受講したことがあるが、フォトリーにもEdu-Kの要素が取り入れられているため、セミナーでは1人ずつ机にペットボトル入りの水が用意されていて、講師からは実習の前などに、できるだけ頻繁に水を飲むように言われた。


キネシオロジーのセッションの前に調べるスイッチング（注１）にも、その項目の中に「脱水」がある。ここでの検査は、相手の髪の毛を軽く引っ張ってインジケータ筋（指標筋）を調べ、インジケータ筋がアンロック（注２）したら陽性と判断する（注３）。

（注１）日本語では「神経学的混乱」などとも訳される現象。本稿の主題から外れるので、ここでは述べない。詳しくは、このブログの過去記事「筋反射テスト考 その３」などを参照されたし。
（注２）キネシオロジストによっては、OFFする、弱化する、落ちる、などという言い方をする場合もある。
（注３）スキンヘッドにしている人や髪の毛のない人に対しては、モード（フィンガー・モード）を使って調べるが、これについても本稿の主題から外れるので、ここでは述べない。

キネシオロジーでは、「脱水」がある場合は「水」を飲ませる。ここでは「水分」ではなく「水」であることが重要　キネシオロジーでは「水」と水以外の「水分」では体の処理系が異なると考えるので、まずは「水」を摂らせるのである。

私もある時期から、スイッチングとして「脱水」も調べるようになり、実際に調べてみると「脱水」で陽性になる人が少なからずいて、水を摂らせるだけで体の状態が変わってしまうケースを数多く見てきた。

ただ、「脱水」で陽性が出たらとにかく水を1杯飲ませればいい、というわけではない。1杯ではスイッチングが取れず、ではコップ何杯の水が不足しているか調べると、例えば「11杯」なんていう人がいる。あるいは、主訴が浮腫（＝むくみ）でありながら「脱水」が陽性になる人や、更には水を飲むとトイレが近くなり、「脱水」が出ていたからと水を飲ませると、すぐ尿意を催してしまう人も。

そういう例を見ていると（水を飲ませると、その場では「脱水」のスイッチングは確かに消えるものの）さすがに、「脱水」には水を飲ませればいい、というのは必ずしも正しくないな、くらいのことはわかってくる。

どうもキネシオロジーにおける「脱水」とは、単純に水分が不足しているケースの他に、体の水分代謝に問題があるケースも含まれているようだ。前者の場合には水をと摂らせることは非常に有効だが、後者の場合は水を摂らせてもその場しのぎにしかならないか、不用意に大量に水を摂らせると逆に状態を悪化させてしまうこともあるかもしれない。

つまり、一部のキネシオロジストの言う「とにかく新鮮な水をタップリ摂りましょう」というのに当てはまらない人が少なからぬ割合で存在する、ということ。

そういえば、Edu-Kっていわゆる「治療術」ではない（「能力開発術」？）から、Edu-Kのインストラクターも当然、治療家ではないのだ。だから、そうしたことはあまり／全く考慮されていないのかもしれない。

では水を飲ませずに「脱水」を取る方法だが──

私の場合、以前、「脱水」で不足分が11杯とかいう結果が出たものの、さすがにコップ11杯の水を一度に飲ませるわけにはいかず、更にどうするかを調べたところ、エッセンシャルオイルを滴下した水だと飲ませる量が大幅に減らせることがわかった。更に最近では、ある部分にエッセンシャルオイルを塗ることで、水を全く飲ませなくても「脱水」が消えてしまうケースも見てきた（注４）。しかもこうすると、水を飲ませた時より再び「脱水」のスイッチングが出ることが少なくなる。

よって、エッセンシャルオイルは「脱水」に有効であると見ている（が、当然のことながら、それだけが唯一の対処法ではないだろう）。

（注４）うちでは直接飲むことも塗ることもできる、セラピー級あるいは治療グレードのエッセンシャルオイルを使っているので、こうしたことを行っているが、一般のデパートやアロマ・ショップなどで買ったエッセンシャルオイルで同じことをするのは絶対にお勧めしない。

「脱水」がある場合は水を摂らせることがfirst choiceであることは変わらない。だが、誰に対しても「とにかく水を」というのはウソなんじゃない？、というお話。