深く潜れ(Dive Deep)! キネシオロジー&クラニオセイクラル・ワーク(クラニオ)の蒼穹堂治療室

「ココロとカラダ」再生研究所、蒼穹堂治療室が送る、マニアックなまでに深く濃い、極私的治療論とお役立ち(?)情報の数々。

1人だけのセミナー

2009-06-01 07:03:36 | 一治療家の視点
5/31(日)にまた、キネシオロジーとクラニオセイクラル・ワーク(クラニオ)の基礎的な内容の1Dayセミナーを行った。参加予定者は2名だったが、直前に私がセミナーの内容を当初告知していたものから変更することにしたため1名のキャンセルがあり、当日は参加者1人だけとなったが
「1人でも参加者がいるなら、やれ」
というのがメンターの教えでもあり、セミナーは予定通り実施した。当日は定例セミナーのメンバの1人に手伝いをお願いしていたので、1:1ではなく2:1で行うこととなった。

ウチのセミナーで初めての参加者を迎える時、常に迷うのは、「この人(たち)はキネシオロジーの筋反射テスト(筋肉反応テスト)での筋力の変化やクラニオの潮流運動(tide motion)を、どの程度感じ取れるのだろう?」ということだ。これは治療系のセミナーに共通したことかもしれないが、そこで用いられている方法によって相手の現在の状態や起こってくる変化をどこまで正確に捉えられるかが重要な意味を持つ。ウチで言えば、筋反射テストも頭蓋のホールドも、ほとんど相手の体に手を軽く触れているだけのような形で行うが、そこで何も感じ取れないと、内容を先に進めていくことができない、と言うか、かなり困難になる。

私自身のことを書くと、カイロの学校の2年次に松原次良(じろう)先生の治療院にインターンに行き、そこでキネシオロジーやクラニオの初歩を教えてもらったのだが、初めて筋反射テストを教わった時は、「ほら、筋力が落ちて(=弱くなって)るだろう?」と言われてもサッパリわからず、
「じゃ、いいから、テストしてる『ふり』だけでいいから、やって」
と言われ、1、2カ月の間、何もわからないまま「ふり」だけしていた、というくらいヘボい人間だったので、余計にそういうことが気になるのかもしれない(その後10年くらい松原先生の主催するCBSセミナーに参加してきて、自分でもセミナーをやるようになったが、さすがに私ほど時間がかかった人にはお目にかかっていない)。

ところが今回、歯科医のN先生の紹介で参加したのは、私のような鈍感な人間とは対極にあるような人。身近にいる他人の思念や物質の持つ何かが強烈に感じ取れてしまい、自分の体がその影響をモロに受けてしまうという。こういう表現が適当かどうかわからないが、ある種の霊媒体質と言ってもいいかもしれない。それが子供の頃からで、本人は「生きてるのがツラくてしょうがない」と話していた。

そんな人だから、例えば体のどこかに手を触れる(これをキネシオロジーでは、TLする、と呼ぶ)と、問題ない部分にTLした時と問題を持った部分にTLした時との違いを筋反射テストより前に感じ取ってしまう(それでも、筋反射テストも教えるのだが)。また、テクスチャー・セラピー(と私が勝手に呼んでいるだけのヘンな治療法)のために置いている本を持ってくると「あっ、その本、気持ちいい」と。

私(や、多分治療家の多く)が「技術」として習い、身につけてきた以上のものを、この人は最初からできてしまっているワケで、私などからすると「うらやましい」とも感じるが、その感知する度合いが半端じゃないし、自由意志でそれをon/offしたり感知するレベルを変えたりできるわけではないので、確かに本人にとってはそんなお気楽な話ではない、ということは、セミナーを始めてすぐにわかった。

同時に、セミナーをやるこちら側としては、「微細な変化が知覚できるか」という課題は最初からクリアされていたので、内容を進めるのは非常に楽だった。それどころか、全部で3人しかいない気楽さもあって、話はさまざまな方向に広がり(もうセミナーを離れて、ほとんど雑談状態)、更に「2日ほど前から首肩が苦しい」という参加者に治療を始めてしまったりして、4時の終了予定が時間を大幅に過ぎて、終わったのが7時。しかし、非常に楽しい時間を過ごせた、と思っている(10時間もしゃべりっ放しだったので、終わった時はさすがに疲れたが)。

ところで、神田昌典さん推薦のTheory U=U理論を知ってから、自分自身のマインド・セットが変わってきたようだ。以前から、セミナーは単に「教える-教えられる」関係ではつまらない、と思ってきたが、今回のセミナーでは、(運命に導かれて、かどうかはわからないが)その場にその人たちが集った意味を考え、そしてそこからどんな新しいものを生み出せるかということを模索する、というのが私にとっての隠れたテーマだったような気がする。実際にその通りにできたかどうかはわからないが、自分の立つべき位置が以前より明確になってきたのが1つの成果とは言えるだろうか。

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4 コメント

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羨ましい~! (nanahoshi)
2009-06-03 04:10:02
その映像、見れないものですかね?
羨ましい~!
と言っても、10時間もしゃべりっ放しなんて
バッテリーもメディアも無理ですね。

>1、2カ月の間、何もわからないまま
>「ふり」だけしていた、というくらい
>ヘボい人間だった

 なんて、クスグッテくれるところが
先生のブログの魅力でもあると思うのですが

>ヘボい人間だった

 なんて、信じられないですね!

 でも、丸投げの様な
 テクニック テンコ盛り大放出!みたいな
 ありえないプレゼントは

>余計にそういうことが気になるのかもしれない

 ここから来るのですかね。
 有り難い限りです!

>そこで用いられている方法によって
>相手の現在の状態や起こってくる変化を
>どこまで正確に捉えられるかが
>重要な意味を持つ。

私は師を持たずに、自分の感覚だけで
鍼灸を進めているので、
先生が治療中に起こってくる変化や
感情を書いて下さるブログが
私の治療のフィードバックを濃くして行きます。
このブログを1つ残らず読み返す様な
鍼灸の学生が増えて欲しいものです。
勿体ない!!!
 
霊媒体質の方も、AKやFTを習得する事で
on/offする技術が高くなり
憑依もしにくくなるのではないか?とも
感じました。

今回も強~く臭いましたよ~!
おかげで眠れず書き込んでいます。 笑





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すいません、映像はなしです。 (sokyudo)
2009-06-03 11:14:39
>nanahoshi先生
>その映像、見れないものですかね?

すみいません。撮影班がいないので、映像はなしです。そのうちビデオで撮ることもしたいとは思っていますが、雑談が多いので…

>>ヘボい人間だった
>なんて、信じられないですね!

これは話を作っているワケではなく、事実なんです。多分そういうところは今でもほとんど変わっていなくて、触診とかはてんで下手くそなままです。

>おかげで眠れず書き込んでいます。 笑

先生、ちゃんと寝てください。
返信する
すごい人いますねぇ (tenleechan)
2009-06-06 01:56:26
敏感とか繊細というより、過敏というレベルですね。
私たちは、筋反射がある意味増幅回路的な意味になるけど、この方には減衰的な感じになるのでしょうね。

治療家駆け出しの頃に松原先生の治療に触れるとカルチャーショックですよね。
あんなの分かんなくったってヘボくないですよ
で、また対極の治療に位置する加瀬先生と仲良かったりするのが・・・・不思議。
あそこ、カイロの学校としては???だけど個性的なセンセばっかで、オモシロさったら最高だったですね
今思えばだけど
返信する
確かにショックでした。 (sokyudo)
2009-06-06 11:24:45
>tenleechan先生
>治療家駆け出しの頃に松原先生の治療に触れるとカルチャーショックですよね。

いや~初めて見たときは本当にショックでしたねー。「この人たち、一体何してるんだろう? コレ本当に治療なんだろうか?」って。
松原治療室では最近、子供たちが松原先生の真似をする「松原先生ごっこ」が流行っているとか。真似したくなる気持ち、よくわかるなー
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