深く潜れ(Dive Deep)! キネシオロジー&クラニオセイクラル・ワーク(クラニオ)の蒼穹堂治療室

「ココロとカラダ」再生研究所、蒼穹堂治療室が送る、マニアックなまでに深く濃い、極私的治療論とお役立ち(?)情報の数々。

喫煙と腰痛の意外な関係

2005-10-05 13:01:05 | 症例から考える

しばらく前、腰痛の人ばかり立て続けに来たことがあった。治療していると、時々そんなことがある。ユングの言うところの「共時性」だろうか…というのはさて置き、その時の腰痛患者には、もう一つの共通点があった。全員が喫煙者だったのである。

結論から言えば、彼らの腰痛を作り出していた直接の原因は、大腰筋と腰方形筋の弱化にあった。
大腰筋は腰椎に始まり、途中、骨盤前面から始まる腸骨筋と一緒になって大腿骨近位の内側(もっと正確には、小転子)に終わる。
腰方形筋は骨盤の上縁に始まり、腰椎と第12番肋骨に終わる。

いずれも、骨盤のアラインメント(位置決め)に関与している筋肉で、それが弱化したことで骨盤が変位していた(骨盤が歪んでいた)のだ。では、それと喫煙が関係合ったのか? 実は大ありだった。

上には書かなかったが、大腰筋、腰方形筋は横隔膜にも付着しているのだ。
横隔膜は胸腔と腹腔を隔てる筋肉性の膜で、一定周期で上下運動を繰り返して胸腔の内圧を変化させる。これによって、無意識的に呼吸ができている。

彼らの大腰筋、腰方形筋の弱化の原因が、この横隔膜にあった。横隔膜の問題が、そこに付着するそれら2つの筋肉に影響していたのである。

そして、更にその横隔膜の問題の原因を追っていったら、喫煙による肺へのダメージだった、というワケ。

話を整理すると、
喫煙 → 肺へのダメージ → 横隔膜の問題 → 大腰筋・腰方形筋の弱化 → 骨盤の変位
という流れで、最終的に腰痛という症状が出ていたのである。

この話は患者さんにもしたけれど、それで喫煙をやめたかどうかは不明。ただ、治療していた私は、やっぱりタバコはからだに悪いやと、改めて実感した次第。

それから、誤解されないように書いておきますが、
・もちろん、喫煙が常に腰痛の引き金になるわけではありません。
・横隔膜の問題は肺から来るものだけではありません。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 治療法がいっぱい | トップ | 「体験談」商法の罠 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

症例から考える」カテゴリの最新記事