深く潜れ(Dive Deep)! キネシオロジー&クラニオセイクラル・ワーク(クラニオ)の蒼穹堂治療室

「ココロとカラダ」再生研究所、蒼穹堂治療室が送る、マニアックなまでに深く濃い、極私的治療論とお役立ち(?)情報の数々。

「なんちゃって固有時制御」の話 2

2015-07-31 10:54:20 | 症例から考える

キネシオロジーの最も基本的な検査法は、体のある部分に触れて(=TLして)筋反射テストを行い、インジケータ(=指標)筋がアンロックする(=弱化する)かどうか調べる、というものだ。この検査では、インジケータ筋がロックした(=強い)ままならTLした部分には問題はないが、アンロックするならTLした部分に何らかの問題があることを示唆している。

しかし実際の臨床では、そんな教科書的な単純な話では済まないことが多々ある。ウチで最近、何人かに見られるのは、1箇所ずつTLしてもインジケータ筋に変化はなくロックしたままだが、それら複数箇所を同時にTLした時だけ「弱さ」が現れるという現象である。例えば、「臨床の現場から 3」で紹介した山下京子さんはめまいや前頭部がクラクラする感じを訴えているが、肝臓と前頭部に同時にTLした時だけ「弱さ」が検出された。

といっても、それだけなら「普通にTLしても『弱さ』はないけれど、TLしながらある負荷をかけた時(例えばチャレンジした時とか)にだけ『弱さ』が現れる」というものとあまり変わらない。しかし、その人たちの「弱さ」は常時あるのではなく、1日のうちせいぜい数回、何時間置きかに現れるようなのだ。

「その『弱さ』は決まって○時に現れる」というなら、その時間に来てもらうこともできるが、その時間が真夜中だったり、いつ現れるかわからないとなるとそうはいかない。そこで使っているのが、以前ブログに書いた「なんちゃって固有時制御」だ。


虚淵玄(うろぶち げん)原作のアニメ『Fate/Zero』に出てくる「固有時制御」は、衛宮切嗣(えみや きりつぐ)が自分の体内を固有結界化して肉体の時間の進み方をコントロールする魔術だが、魔術師でない私には到底そんなことはできない。だから使うのは、固有結界によって物理的な時間をコントローするのではなく、あくまで仮想空間上でそれを行う「なんちゃって固有時制御」である。

その代わり、『Fate/Zero』の「固有時制御」は特殊な条件が加わらない限り、時間の進む速さはせいぜい1/3倍から3倍程度の範囲内でしか変えられないが、「なんちゃって固有時制御」なら理論上は0から+∞倍の範囲で任意に設定可能だ。

具体的には、上記の患者では時間の進む速さを60×60=3600倍にして、1時間の変化を1秒に短縮して見られるようにする「なんちゃって固有時制御」を用いた。それによって「弱さ」が4時間から6時間に一度の割合で起こっていることがわかり、それを例によってポーズ・ロック/スタックして処理した(ちなみに、ポーズ・ロック/スタックすると「弱さ」が現れるまでの時間がだんだん延びていくのがわかって面白い)。


最後に『Fate/Zero』では「固有時制御」がどのように使われているのかを、以前の記事とは違う動画で見てもらおう。これは衛宮切嗣と言峰綺礼(ことみね きれい)の戦いのシーンだ。一応補足説明すると…

衛宮切嗣は魔術師でありながら、戦いでは銃火器や刀剣を使うことも厭わない。多くの魔術師を葬ってきたことで「魔術師殺し」を異名を持つ彼の最強の武器は「起源弾」。撃たれた相手には「切って繋ぐ」という切嗣の「起源」が具現化する。相手が魔術師なら、その体内に構築した魔術回路が切れてデタラメにつながってショートし、再起不能になる。また切嗣は彼のサーヴァントであるセイバーの聖剣「エクスカリバー」の鞘で、無限の治癒再生能力を持つ「アヴァロン」を体に仕込んでいる(って、それ完全にチートやん)。

言峰綺礼は聖堂教会に所属する聖職者で、過去には異端討伐の任に就いていたこともある。それゆえ彼もまた「魔術師殺し」のエキスパートである。魔術師となってまだ日が浅いため、体内に十分な魔術回路を持たないが、父から譲り受けた多数の令呪を持ち、それを代わりの魔力源として使っている。武器は黒鍵と呼ばれる伸縮自在の剣。また中国拳法の達人でもあり、運動能力は「固有時制御」を使って2倍速で動いた時の切嗣とほぼ互角。更に切嗣との戦いに臨んで、肉体を令呪によって魔術的に強化している。

この戦いが行われているのは冬木市の市民会館の地下1階で、地下2階の駐車場ではセイバーとバーサーカーが戦闘中である。〈第4次聖杯戦争〉のクライマックスであり、市民会館の上階には〈聖杯〉が出現している。




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